2016年11月07日

グリーンの転がり

1.グリーンの転がり
秋は競技会が盛んになりますが、競技者の要望は硬くて速いグリーンを求めています。これが難題で管理者が最も困ります。
全ては天候によるなどとは言えませんので、ある程度は満足が得られるグリーンに仕上げていきます。
具体的な数値を紹介しますと、スティンプメーター(注※7)で10フィートを、コンパクション(注※8)で10.0kg/㎠を目指します。

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(注※7)スティンプメーター:考案者エドワード・スティンプソンで、雨樋状の筒の中にボールを置き、筒を傾けグリーン上を転がった距離をいいます。
(注※8)コンパクション:硬さの指標であり、本来は◯kg/㎠ ですが、国内では山中式の計測器を使い、突起物を打ち込む時のバネ数値23mmなどということがあります。(換算式は以下の通り)
    P=100x/0.7952(40−X)(40−X)
Pは支持強度kg/㎠、Xはバネの伸長mm


グリーンの速さは、雨や風の影響を受け、また長年蓄積した作業(更新作業や目砂)の積み重ねの成果が問われます。
例えば安易にローラーなどをかけると、硬くて早いグリーンが出来上がりますが、根が切れてグリーンは弱ってしまうこともあります。
但し、床土が全て砂ならばまだ異なる結果となると思われます。
当コースの建設時に、芝の管理技術が無かった為、設計がどうなっているか不明でありますが・・・排水や床土の問題は毎年少しずつ改善するしかありません。
柔らかなグリーンはボールマークがつきやすく、ボールが突き刺さってしまいます。この傷は修復しなければどんどん赤く枯れてしまいます。
プレーヤーが修復するのは嬉しいことですが、フォークで持ち上げ根を切ってしまう事もあります。
従って、硬いグリーンは管理上も重要なテーマであり、硬度数値は大切な目標となっています。
posted by ミナミフジCC at 08:26| コース管理入門編

2016年11月06日

排水について

2.排水について
ゴルフコースの雨水は一体どこへ行くのか?などと考えることも少ないと思われますが、実はこの水の流れこそがコース管理を決定づける重大な要因なのです。
土木工事は排水の流れを考え、集水枡や貯水池などを経てコース外に排水されるように設計されています。
しかし、ゴルフコース場外の高い土地からも水は流入してきますので、隣接地からの排水路も確保しなければなりません。
さらにこの排水路や排水パイプも経年劣化で破損し、あるいは管が目詰まりし、役に立たなくなる事もあります。
排水と言えば、側溝やパイプをイメージしますが、水の大半は表面排水(芝の表面を流れる)が一番重要だと言われています。
水は高い土地から低い土地に流れますが、ゴルフコースは自然なアンジュレーションというものが大切で、切り立った崖や、勾配のキツイ斜面は好まれません。
プレーヤーはフラットな位置にボールをキープし、そこから次の目標に向かってショットしていきます。
簡単にいえば、点と線のゲームといえます。
ティグランドもグリーンも比較的フラットな地形に立地しているものの、それなりに排水が必要であり、設計の意図する排水勾配を、管理上も維持しなければなりません。
フラットと言え、最少勾配の1%あるいは2%の勾配がついているものです。
日本は火山国なので、ゴルフコースの地盤は、火成岩等とか火山礫等とか粘土質なローム層等などと別に区分されています。
果たして自分の管理するコースの地盤はどうなっているのか、排水が良いのか悪いのかを管理者は最高の注意を払っているものです。
排水が良ければ全てよいとはいえず、ある程度の水分の蓄積も必要と思われます。
それらは、芝の健康状態を見ながら手を打つ必要があります。
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さて、前置きが長くなってしまいましたが、当コースは富士山の裾野に位置し、先に掲載したとおり、岩が多いです。どちらかと言えば排水は良好であり、やや過ぎたアップダウンは、表面排水が良く、芝の管理上はやり易いです。
また当コースは富士山の南斜面に位置し、冬場は積雪が少々、積雪によるクローズは少なく、日中は温かいのが特徴になります。
まあ、北斜面はスキー場向き、南斜面はゴルフ場向きということが言えると思います。
表面排水はよろしいのですが、逆にバンカーは水を集める構造になっているため、この排水に作業の多くを費やしています。
在る時バンカーの排水があまりにも悪いので、地下を掘り続けてみると、地層が変わり排水可能な割れた岩にぶつかりました。その時は金を掘り当てたような嬉しさを実感しました。
さて、表面排水以外ですと、開渠排水(河川)、暗渠(地下排水)等があります。
ゴルフコースには自然な河川が流れているものですが、過去に流れていた河川を生かすことばかりでなく、ルートを変更にする場合もあります。
管理者は、排水ルートを頭に入れておき、排水不良が起こったら適切な工事を実施しなければなりません。
当コースの排水不良個所は、経年による地盤沈下や、表面排水勾配が確保されていない、あるいは地下の暗渠排水が整備されていないなどの理由が多く、いつも迷う事ばかりです。
一番安上がりな事は、昔から行われてきた粗朶暗渠(木の枝を縛って、溝の中に詰める)ですが、砕石暗渠(溝の中に砕石詰める)も、なかなか良い方法です。
これらも視野に入れながら、溝掘り後暗渠排水パイプを埋めて、粗朶巻や砕石巻などを実施しています。(この際は高低差の測量が必要)
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コース管理の作業は、芝の刈込が終わると、この排水工事に時間を費やすことが多く、毎日が土木工事の連続となります。
シバの健康管理=排水工事とプロは考えています。
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posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2016年11月05日

水道あれこれ

3.水道あれこれ
あれ、このゴルフコースは市の水道使ってないのか?とプレーヤーに言われます。
えー?市の水道使っている方が少ないのではないですか、と思ってしまいます。
さてさて、どうなっているのでしょうか。
いくつかのゴルフコースをお聞きしましたが、水源が少ないゴルフコースも多く存在し、溜池を水源とした、散水も多いようです。
そのようなゴルフコースのクラブハウスでは、お風呂やトイレと厨房などは、市の水道水を使っており、芝への散水も溜池プラス市の水道という事になっているようです。
また水道水は、浄化と殺菌がされ、人には優しい水ですが、芝に散水するには価格が高く、また殺菌された水道水は自然の雨水とは異なります。
先日米国の貯水地の水が減り、家庭で芝への散水が制限されるニュースを見ました。
なるほど、ガーデン=芝生=散水となっているのです。
日本は世界一清潔な水を飲んでいると言われていますが、やはり軟質(弱酸性)を飲んでいる人は、ヨーロッパ系硬水(弱アルカリ)には弱いようです。
どのような水質を芝生に散水しているか、その時期は、あるいは散水量はなど、管理者泣かせの問題です。

  また日本の降雨量は、世界の中では多いと言われていますが、この降雨量が毎年減少しているようです。最近では年間1500mm平均となり、一昔前の半分くらいになっているようです。(積雪が減って、年間降雨量が少なくなっているような話も聞きますが)
  
  さて、本題の当クラブの水源の状況ですが、地下水(深さ100mで2井)をくみ上げており、貯水タンクに8時間で500tストックします。

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すなわち1井戸当たりは毎分500Lの湧出量を持っていますが、水源調査では、例の  富士山のバナジュウム水と言われ、健康にも良いとされています。
  その天然水を惜しげもなく、夏場に散水しているので、芝が元気に育っています。
  本管は100φで、枝管は50φが基本的でありますが、場所によっては75φとか40φなどもあり、給水管の歴史も感じます。
  さらに、最近は塩ビ管から柔軟な蛇腹管に入れ替えしていると聞きますので、時代とともに設備は変わっていくものと思っています。

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posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2016年10月19日

本日10/19グランドシニア決勝

なんとか第一グリーン更新後の仕上げ間に合いました。
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posted by ミナミフジCC at 07:32| 本日のグリーンコンディション

2016年10月14日

7番グリーン横の橋修繕

大分痛んでいた、7番の第一と第二グリーンの間のクリークにかかる橋を修繕しました。

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posted by ミナミフジCC at 08:54| 修繕など

第一グリーン更新作業に入ります

今週は比較的天気が良いのでとり急ぎ、秋の第二回目の更新作業を、第一グリーンより順次入らせて頂くこととなりました。

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お客様にはご迷惑をおかけして誠に申し訳ありません。
長いシーズン、良い状態にする為に必要な作業です。
何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。
posted by ミナミフジCC at 08:48| 本日のグリーンコンディション

2016年10月13日

2016年10月12日

平成28年 更新作業(グリーン編)

ブログ過去データが消失してしまいましたので、今年の作業をまとめてアップです。


@更新作業(グリーン編)

H28年4月 φ10mm コアリング(1回目) 目砂2mm
H28年6月 φ8mm コアリング (2回目)  目砂2mm
H28年7月 ムクタインによるエアレーション 目砂0.5mm
H28年8月 ムクタインによるエアレーション 目砂0.5mm
H28年9月 φ8mm コアリング (3回目)  目砂2mm
H28年10月 ムクタインによるエアレーション 目砂0.5mm

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(コアリングとは、パイプ状の刃を芝地に押し込み、タバコ一本分のコアを抜くこと。ムクタインとは、鉄棒を芝地に押し込み、穴を開けること。またφの記号は直径の長さを表現しています。)

当コースグリーン2面(第1と第2)とも現在ベントグラスであるが、建設当初はベントグラス(寒地型)第1とコウライシバ(暖地型)第2がありました。
ところで・・・・
建設時は、この第1グリーン(寒地型)と第2グリーン(暖地型)を交互に使用していました。
特に寒地型のベントグリーンは夏枯れしやすいことから、夏はコウライシバをメインに使用し、春秋はベントグリーンを使い、冬はどちらかを使用するという時代が続きました。
しかし、在る冬、余りの寒さにコウライシバグリーンが氷つき、翌年は発芽できない事があり、こりゃコウライグリーンは当コースは育てられないとなりました。
さらにコウライシバのグリーン、は剛毛の性質を持ち、遅く曲がりやすい(芝目が強い)という事で夏もプレーヤーに不人気になり、柔らかなベントグラス(寒地型)を一年中使用させてくれという要望が重なって、コウライ⇒ベントグラスに転換しました。
さて本題に戻りますが、更新(穴あけや引っ掻き傷をつける)作業と目砂・目土は一体の工程で行っています。

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穴あけには、前出の様にコアリングとムクタインがありますが、床土を抜くか抜かないかはプレーヤーにとって、回復まで1〜2週間かかる、あるいはかからないという点で関心の的になっています。
さらに目砂・目土の施用量(厚さ)は、あくまでグリーンの状況や日照時間や乾燥状況により異なりますが、前出数値のように、0.5mm〜2mmまで様々です。

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この更新作業は、この穴あけ以外にもバーチカル(注※1)なども行っていますが、これはグリーンの状態を加味して実施しているので、穴あけ作業時に同時に行うこともあります。この更新作業とは、古い葉や古い根あるいは刈りカスの古いものをマット呼んでいますが(体育館にあるマットを想像してください)、これを取り除き、新根や新芽を誘導し、グリーンの若返りを図っています。更新作業によりグリーンが生き返り、病気にならず、またu当たり芽数も増え、硬いグリーンを保ち、転がりが早く、パッティングが楽しくできます。
posted by ミナミフジCC at 09:15| 更新作業