2017年02月18日

ティーグランドの必要な広さとは

ティーグランドとは
 ティーグランド(tee groundあるいはteeing ground)は、出発区域のある一定の広さをもったエリア(グランド)を指しているのですが、プレー上は2つのティーマーカーによって定められた奥行き2クラブレングスの仮想線で囲まれた区域を言っています。
 ここで論じるのは、あくまでコース管理上言うティーグランドであるのでご注意いただきたい。
またコースの長さ(距離)とは、ティーグランドの中心位置から計測されており、グリーンの中心点までの距離をスコアーブックや看板で表記されていることが多いと思います。(フェアウェイ上のボールの落下地点を定め、コースなりのセンターラインの距離表を示す。木々やハザードや山あるいは崖などが存在するので、定められたプレーラインの距離である。)
 通常コースの設計上は出発点エリアティグランド(TG)が狭く、フェアウェイに向かって次第に広がっていきます。多くのゴルフコースでは、TGにはレギュラーティーとかバックティとかフロントティがあるし、さらにはシニアティやレディースティも存在します。
それも、あちらこちらにある(プレーの楽しさを演出するため)のが多く、使用するTGで景色や戦略が異なるのもたのしみと思われます。
いずれのTGも少し高い位置にあって、見晴らしが良く、長方形が多い。
しかし最近では、円形もあるしアメーバ形をしているそれもあります。

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ティーグランドの面積
 TG面積はおおよそ一面200u位で、1ホール当たり数か所の合計が600u位ですが、
例えばスターティングホール(基本的には1番ホールと10番ホール)のレギュラーティーやショートホールのティーは傷みやすく、面積が欲しいと感じます。
 なぜならプレーヤーはスタートホールで素振りをするものですし、ほぼ全員の素振りを受けて芝は無くなっていきます。(特に靴の場所)
 さらにショートホールはティーショットでアイアンを使いますので、芝がえぐられ(ディボッドという)ます。この傷を養生するため、2つのティーマーカーは頻繁に移動することになりますが、移動すればするほどディボットも増加します。
 問題はTGが高い位置にあるため、登り下りするルート(まるで獣道)は何時も黄色く変色していきます。
また、利用者数とTGの傷み具合は比例するものと思われますので、人気のゴルフコースで毎日満員御礼という場合は、頻繁にティーマーカーを移動し、また必要面積も大きくなります。
芝の種類によって、成長期は異なりますが、ノシバやコウライシバ(暖地型)ならば夏の時期のみ成長し秋冬期休眠となり、この休眠期に踏圧やディボッドなどが回復できず痛みが激しくなります。(春先に全面芝の張り替えなども起きます。)
 小さなTGが沢山あることが良いのか、大きなTGのいろいろな場所を使ってやることが良いのかは賛否両論ありますが、最近の傾向は管理しやすい集中型(大面積型)がもてはやされています。
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2017年02月17日

エルニーニョとラニーニャ現象

エルニーニョとは
 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生します。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられています。
エルニーニョとは男の子の意で、ペルー沖でクリスマス頃から南東貿易風が弱まり、赤道海域から暖水塊が流れ込み海水温度が上昇します。

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http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.html

 ラニーニャとは女の子の意で、南東貿易風が強まり、海面水温が平常時よりも低くなる現象を言います。
前者では、雲の発生はインドネシアと南米の中間多く、また後者はインドネシア側で雲の発生が多くなります。

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http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.html

 現在はラニーニャの続く時期であり、日本では高温で多湿が続くと考えられます。
ラニーニャでの問題点は何か?昨年同様ならばペンクロスベントが被害を受けるということになります。(コウライ芝も被害をうけるかもしれません)
また春から高温・多湿&曇天(日照時間が少ない)が続くと、グリーン更新作業の時期が問題になるし、場合によっては更新作業を避ける(実施しない)ゴルフ場もあると思われます。

グリーンの健康管理
 春と秋の良い季節が少なくなれば、ペンクロスベントグリーンにとって苦しい一年を迎えますが、今後の管理方法はこのことを頭に入れて実施しなければなりません。
 過去においてグリーンの更新作業を怠ったゴルフコースは、次第にグリーンが病気になり、雑草が増え、また茎葉が柔らかくて傷つきやすいという事が起きます。
 夏期、病気治療薬を常時使用するため、高額な管理費を負担することになります。
グリーンの健康をどのように維持するか、あるいは構造的なリニューアルをするか、草種転換をどのように行うかが鍵になるような気がします。

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posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2017年02月16日

天気予報とコース管理

天予報の精度
 天気予報は、情報のツールとして誰でも正確なデータと正しい予報を得ているものと理解されていますが、これが大きな間違いだと私は感じています。
正面切って天下の予報に反撃するのは、業界では初めてかもしれないし、それはおかしいと言われるかもしれません。
 皆さん、本当に天気予報を信じていますか?それとも予報は大体の方向であって、目安に過ぎないと考えていますか。

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 私は後者であり、一般的な予報でなくて、経験上自らの予報を信じて疑わない一人であります。
 田舎で農業に長い期間従事している方に、××ならば天気は崩れるとか、○○のときは天気が回復するという話を聞くことができます。
 それは、貴重な情報であり且つ一般的天気予報より地域に限っていえば、過去からの伝承も含めて正しい予報と感じます。
 「あの山に雲がかかると1時間後に雨になるとか、あの丘の空が明るくなったら2時間くらいで晴れる」とかいう話であります。
 コース管理は、誰よりも早く且つ正確な天気の予報士でなければ、仕事ができないことが多くあります。

作業計画
 例えば、何ミリの降雨があるならば施肥作業を計画しよう、快晴ならば目土をしよう、気温最低気温が10℃で且つ最高気温が15℃ならば更新作業をしよう、風は南向きならば気温は上がるが逆ならば気温は下がるので風向きで作業は変えよう、などなど天気によって基本作業は変えなければいけません。
 また作業は天気予報が的中すると準備が良い(段取りが良かった)となります。

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気象変化
 概ね天気予報と実際の天気がずれやすい原因は、低気圧の進む方向と所要時間が異なる事によって生まれやすいものですが、上空の風によっても左右されるようです。
 台風は特に予報が外れやすいことが多く、予想進路などは毎日猫の目のように変化します。
 さてゴルフコースがある富士市は、富士山の山麓に位置し、台風は必ず富士山を避けて北側または南側を通過すると言い伝えられております。
 さらに、富士山級の高い山は、上昇気流が起きやすく且つ低空の風は山にぶつかり方向が変わりやすく、上昇気流で発生する雲は雨となりやすいのです。
 当ゴルフコースは、富士山の南側に位置する標高600mという立地で、天気は変化しやすい場所です。例えば雨が止むと霧になるとか、気温が上がると霧はいつの間にかなくなり、雲が去ると太陽がすぐに降り注ぐとか、一日の間に何度も天気は変化します。

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美しいグリーン
 良い点は夏が涼しくベントグリーンの緑は美しく、また南斜面ゆえ冬は暖かく且つ雪はすぐ解けるので積雪クローズは少ないなどのこともあります。
 また標高が高いので、ティグランドには1年中青々と成長する洋芝を使って成功していますが、周辺の標高の低いコースはこの洋芝の生育が悪いようです。この洋芝は冬期間にノシバやコウライシバ等暖地型芝が休眠=枯れるのに対し、みずみずしい青さが目に付き、富士山に積もった雪景色と一対になって美しさが印象に残ります。

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posted by ミナミフジCC at 14:35| コース管理入門編

2017年02月15日

河の流れと排水管

排水管ルート
ゴルフコースのあちらこちらに排水管が敷設されていますが、竣工時から施工されている管はもちろん、40年経過すると枝配管はあちらこちらに増えていきます。
なぜなら、経年による地盤の陥没、地表の不陸、植物浸食、台風による倒木・・・により微妙に表面排水は変わってゆき、災害復旧の為、管の増設や新設が続きます。これらの日々の土木工事は、ゴルフコースの管理維持に欠かせない作業となります。(あくまで本管ではなく枝管の話ですが)
ところで、本管(本流)と呼ばれる排水管は、地質や地形あるいは森林の状況などから決まった場所に設置され、長年手つかずの状況です。
この本管の設置ルートは、竣工前コンタ図(等高線)及び伐採面積と土切盛等により計画されます。
また過去の水の流れがどうであったかがポイントで、土の切り盛り工事後であっても、工事以前の地形による本来の水の流れは変わらず、河川(開渠)に代わる排水管(暗渠)・・・いわゆる本管が埋設されていると考えてよろしいかと思います。
またその太さは、川の流れの様に上流より下流が次第に大きくなる(直径が大きくなる)ものです。

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排水管沈下
排水管と言っても地面の下を走っている管(横管)と地表に顔を出している枡(縦管)がありますが、この枡(縦管)の監視により多くの問題が判明します。
例えば枡に泥がたまると周辺の緑化(植栽や芝張り)が失敗していると判断できますし、降雨時に枡周辺が池となって水が溜まると、地下の排水管が壊れているか又は枝葉やごみが管に詰まっていることが想像できます。

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さらに枡(縦管)が沈下していて、枡周辺の土が沈んでいるおり且つ管(横管)にそって陥没あるいは穴が開いている場合は、排水管が潰れて地下層の土砂は流れ、土中に空間ができていると判断します。
このような排水関係の崩壊がおきないために、排水路途中に溜池を作って急激な水の流れを止めるような計画がなされていますが、この池が破損すると、さらに被害甚大になりますので注意が必要です。

調整池
溜池は調整池と呼ばれ、貯水量が設定されていますが、池の底に泥が溜まるとその貯水量は少なくなりますし、池の中に地割ができると漏水が起きて貯水ができなくなります、また同様の事が吐口の破損でも起こります。
これらの池は、プレー上のウォーターハザードになっていることが多いのですが、プレー上の池がイコール防災上の池ではないため、プレーヤーと管理者の話が異なる場合が良くあります。
例えばあの池はプレー上意味がない、こちらに作ってくれとかという話がありますが、ではその池の水はどこから引くのかどこに流れていくのか、またプレー上の池とは防災上必要な池と同じ役割を果たすかどうか、などを検討しなければならないのです。

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排水管交換
さて話は変わりますが、ゴルフ場の建設ラッシュは1970年代でしたから、それから40年あるいは50年経過したコースはたくさんあります。
またこの時代に設置された排水管は、コンクリート管(ヒューム管)かコルゲート管(樹脂管)が多く、40〜50年経過したこれらの経年劣化はもちろん、地震が頻繁に起きる日本にあっては、点検や交換が必要な時期を迎えているものと感じます。

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枝管はせいぜい1m位の深さで敷設が可能ですが、本管は2m〜10m位の深さに設置されていることが多く、道路やフェアウェイを横切る場合も多いものです。
従って工事不可能な場合もあり、今までと異なる発想で修繕を行う事も検討しなければいけない場合があります。
これから古い(言い換えれば伝統と歴史のある)ゴルフコースのコース管理責任者たるもの、この排水管をどう入れ替えるのかを念頭に入れなければならないのです。

江戸の河川
ここでしばし休憩タイムです、江戸はどうやってできたのかについて触れます。
江戸時代以前は荒川の氾濫により、江戸は草ぼうぼうの湿原であったらしい。
そこで江戸に流れ込む水量を調整するために、荒川の上流で利根川に放流し、水量を調節して荒川や隅田川に流し込むという河川工事をおこなったと言われています。
つまりは、河川の流れを変えて湿原を乾地に変え、江戸を作ったという事です。
従って、江戸はもともと巨大な洲であったがため、それが住みやすい都市に転換できたということです。
ゴルフコースもある意味、河川工事に該当する排水パイプの埋設で成り立っていると感じています。
posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2017年02月14日

草取りとスマートフォン

スズメノカタビラ
 ゴルフコースは雑草の宝庫でありますが、雑草をどのように抑え込み、育てたい芝草(品種)の密植を上げるかが勝負所と思います。
ゴルフコースの雑草NO1と言えばスズメノカタビラでありますが、実はこれ(本名ブルーグラス)を育ててグリーンを作っているゴルフコースもあります。
雑草とは何か?判別が難しいところでありますが、スズメノカタビラは穂ができやすく且つグリーン上では球はスムースに転がらないものです。
このスズメノカタビラの話はいくらでも尽きないし、日本のゴルフ場の多くが悩んでいるのが現状です。私の見たところでは、国内ベントグリーンにおける過半はかの品種が繁茂しており、そのグリーンに占める割合では50%あるいは60%に達しているコースすらあるのです。
誰がこの種を播いたかなどと話は出ませんが、かの雑草はコースのあちこちにあるものですので、プレーヤーの靴の底などについてグリーンに運び込まれるかもしれません。したがってコース内のかの品種の絶対数を減らしていかなければいけない・・、と言われますので、普段からどこにあっても除草が大切です。

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公園の雑草
 さて話は変わり河川公園の芝生を思い出してください、これらの多くはクローバーやタンポポやノチドメやアカザなどの広葉の雑草に覆われていますが、全く気になりませんね。
 公園における芝管理は、年間数回の刈込みで支えているようですが、多少の雑草はむしろ緑化する意味ではプラスと考えているものと思います。
但し、この公園管理程度でゴルフコースは集客できるのでしょうか。
公園は無料(税金?)で提供されていますが、ゴルフコースは有料であり且つ経営の予算で実施されているため、平均的にという言い方は困難であり、売上に見合ったコース管理予算というのが答えになると思われます。

コースの雑草
 バブル期のコース管理スタッフは18Hで20人程度がおりましたが、今は半分程度に縮小されており10人程度、すなわち人手は売り上げ次第という事に繋がっています。
さて表題のスマートフォンですが、今やコース管理には欠かせないものとなりました。
このスマホを見ると我がコースのカート位置情報が表示され、今お客様が何処にいるのかわかりますし、混雑状況も判断できます。
除草(草取り)作業はどのホールでも必要ですが、プレーの邪魔はできませんので、誰もプレーしていないホールを探し歩き作業に集中します。
つまりスマホで一番新しい情報を確認し、有効に作業をしているのです。
このことは、皆進んでやっている事なので、ありがとうという言葉に変えます。

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posted by ミナミフジCC at 09:48| コース管理入門編

2017年02月13日

カップ切りを考える

ホールカッター
 「カップ切り」とは何かを説明しますが、その前にゴルフについて説明します。
さてゴルフとは、直径約4.3cmの小さな硬球を、金属と樹脂などからできているクラブで打ち、芝を短く刈った比較的平らな場所(グリーン)にある、直径約10.8cmの小さな穴(カップともホールともいう)に、如何に少ない打数で入れるかを競うゲームである。
 さて、このグリーンに穴を開ける道具がホールカッターであり、穴の中に入れるのがカップ(ステンレスが多い)なのです。このカップの真ん中に旗竿を入れる部分があって、穴(カップまたはホール)に旗が立っていますが、各ホールでティグランドからボール(硬球)を打ち、ホールの終了とはボールをこのカップに入れることです。
 私たちは、定期的にカップの位置を変える仕事を、「カップ切り」と呼んでいます。
ホールカッターのイメージは、円柱形の空洞で、直径4.25インチで=約10.8cm、高さは4インチ=約10.16cmになっています。
カップ切りは、ホールカッターの頭と地面が面一(ツライチ)ではなく、指の幅1〜2本位の分深く切りますので、12cm位の深さの丸い穴を開けることになります。(この作業は全てが感覚的なので、説明できませんが)
さて作業のもっとも難しいところは、旗が垂直に立って見えるかどうか?と、穴の周りが綺麗かどうか?と、カップの深さは適度かどうか?なのです。
 因みにグリーンは比較的平らな場所でありますが、実は色々な傾斜が組み合わされていますので、体育館の床のようではありません。

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 奥が高く手前が低いグリーンは良く見かけますが、木の葉が数枚広がって傾斜で繋がっているポテトチップス型のグリーンもありますし、真ん中が高く周囲は傾斜ばかりのグリーンもあります。どこにカップを切るかと、どうやって垂直に切るかは神のみぞ知ることになります。
この神聖な作業は、先の3点(垂直・綺麗・適深)をクリアーできていないことがあり、やり直しとなることがしばしば起こります。
 また切った穴の、土くれと芝草(コア)は、今まで切ってあった穴(カップを取り外すと穴が開いています)の位置にぴったり高さを合わせてはめ込むのですが、誰がみても元のカップ位置を探すことができないならば大成功であります。(まるでだまし絵)

芝の健康診断
そのほか、カップ切り作業者に対して作業前に注意喚起される大切な内容は、以下のような項目です。

@ グリーンに傷はないか。
A グリーンに病斑はないか。
B グリーンの健康状態はどうか。

言葉にすれば、まるで臨床医の教科書みたいになってしまい、恐縮してしまいます。

@ の要点は動物の食害とか蹄による傷、最悪人間による悪戯および作業機械の刃の千切りやオイルもれによる障害などを見つけること。
A の要点は、黄色・茶色・赤色・黒色・灰色などの色の変化に加え、匂いや沈みなどを感じて、病気を判定することになります。
B の要点は、芝草の茎や葉の状態をみて、イキイキしているか、葉に捩れがないか、古い葉に中にも新しい葉が出ているか等成長に関するポイントを観察します。

以上表面を見た後は、いよいよ地面の下を見ます。

カップ切りは地面の下の状況を見るための良いチャンスです。
10cmの深さに根が集中していますので、この部分が綺麗に抜けて途中で根キレがないかどうか、また密植度もしっかりしているか、コアが柔らかくなく硬すぎず等々の観点があり、地面の下には大切な情報が眠っています。
一度目の採取はこのコアになります。
次に2回目の採取はこの下ですが、床土の断層面が現れます。
過去の作業の証が断層になっていますが、多くは砂の層が重なって見えますので、その回数を数えるとまるで年輪のようにも見えます。
恥ずかしい話ですが、全ての過去(歴史)がここにすり込まれ、失敗も成功も感じます。
またこの情報が如何に大切かを理解していれば、一流のコース管理者になれると思います。
やった作業の結果も分かり、今後しなければいけない作業も考えられる良い仕事です。

posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2017年02月12日

目土のやり方

張芝の目土
 芝の管理は目土次第という話であります。

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 現在のゴルフ場では目砂と焼き砂が多く使われており、一昔前の砂と土を混ぜた目土は少なくなってきました。(張芝の場合は砂と土を混ぜた目土が欠かせませんが)
目土の意味を問われると、一言では説明できませんのが敢えて言うならば、目土をやれば芝は良くなるという事でしょうか。
 最初に芝張り(種を播く場合もありますので、これを除いて話を進めます)をします。この時に目地(メジ)という言葉が出てきます、芝片(四角に切り取った芝片=ソッド)を並べていきますが、その隙間を目地と呼んでおり、目地を埋めて空間をふさぐとき使うのが目土です。

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 また、その後地際の保護と生長点を守る為、また凸凹を均し平らにする為、さらに古くなった芝や枯れた芝や根(サッチ)を分解する為、目土をします。
 密植度を上げる為(美しいターフを作る)には、刈込と目土を繰り返しますが、肥料分を適時に与えなければなりませんので、これらは三位一体の工程だと考えます。
(この目土のタイミングは成長するときですので、芝の種類によってタイミングは異なります)

砂の定義
 目土の材料は、先ほど述べたいわゆる砂でありますが、砂と土とは何が違うのかというのかという質問が出ると思います。
しかし砂を定義しないと話が見えなくなるので、それをはじめに整理します。
石を細かく砕いていくと砕石(砂利)になり、さらに細かく砕いていくと砂になり、さらに細かく砕いていくとシルトになり、さらに細かくすると粘土になります。
この過程の中で粒径が2mm〜0.05mm付近を砂と呼んでいます。
しかし土と呼ばれているものは、生き物が生活できる有機物が含まれており、大概は植物の腐食したものが長年堆積してできたものです。
 また焼き砂は読んで字のごとく、砂を工場で焼き、雑草の種や病原菌を殺したもので、乾燥しているので、高級目土(目砂)として取扱いされています。
 コース管理で一番お金を使うもの、それは砂かもしれない。
 予算によって、砂の質と量を変えなければいけないのですが、湯水のごとく予算があれば、おそらくその矛先は良質な砂を多量に使う事になると思われます。
しかしまた一方では、芝の地際に分厚く砂を播くことはできません、砂の分厚い所は成長できなくなり、やがて枯れてしまいます。
やり過ぎは禁物ですが、芝の丈に対し20%位を上限と考え、それも2〜3回に分けてやるのが良いと思います。(もちろん目土前は刈込みをしておかなければいけませんが、急激な低刈りは芝生を傷めますので、30%以下という原則を守りたいものです)

目土散布機
 この均一目土散布を可能にした機械が、「目土散布機」という名前でゴルフコースが所有していますが、人間ではなしえないスピードで均一(厚さを調整できる)に散布されていきます。

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 この機械が発明されていなかった昔は、スポーツターフなどという綺麗な芝生は管理が不能であったのではないかと考えます。
 スポーツターフという言葉は、最近耳にするようになりましたが、ゴルフ場ばかりでなく、テニスコートや野球場やサッカー場など多くの綺麗な芝生が見かけるようになりました。
 芝生の上で、スポーツするのですから、それは密植度と硬さと強さが求められます。
勿論、回復力も重要なポイントとなります。
 その中でも、やはりゴルフ場のグリーンは最高の状態を保っていなければならない聖域とも思われる空間と言えます。
そこには、ボールが落ちてもへこまない強さと、ボールが早く滑らかに転がる、つまり均一さが求められているからですが、ゴルフ場の管理ができれば、きっとなんでもできますね。
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2016年12月13日

コース管理の人間模様

 ゴルフコースの立地は都会にあることが少なく、反対に郊外あるいは山岳にあることが多いと思います。
また40年前の建設ラッシュ時は、全国あらゆるところでゴルフコースが造成され、雨後の筍のように増加しましたが、現在では新規誕生するゴルフコースは稀となりました。
 当時ゴルフコースの「芝管理」教科書が少なく、コース管理マニュアルと言われるものも存在せず、常に対面で先輩の指導を受けて仕事をしていたことが思い返されます。

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 また働き手も農家あるいは手先が器用な大工さんや左官さんが多かった気もしますし、新入社員がコース管理に配属されたのは数少ない時代だったと思われます。

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 こうした背景の中で、仕事は日々何が起きるか不明であり、何か起きるたびに原因と対策を考えたことが思い出されます。
 何しろ芝草は生き物であり、芝草の気持ちになって感じることが大切な事と考えていました。
 しかし、振り返ると40年後の現在も昔となんら変わっておらず、ただコース管理のスタッフ人数が少なくなっていることは事実で、少ない人手で最大の仕事をすることが求められています。
○○ができる人が重要であり、なんでもできる人は何もできない人と言われることもあります。
○○ができることを積み重ね、全ての仕事がこなせるようになるまで約10年という単位の蓄積が必要かもしれませんが。

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 自分のゴルフコースの周辺を見回すと、隣接するゴルフコーススタッフの面子は長年
変わっていませんが、親会社が変わるたびに正社員は減少し、パートやアルバイトが増加となっているようです。
 しかしながら、ゴルフ業界全体が大衆化(接待ゴルフは縮小し、且つ会員は高齢化し減少を辿っています)しなければいけないようなので、初心者の受け入れを考えてコース管理を計画しなければいけません。
 例えば、昔は平均的に上手なプレーヤーが多く、隣接の施設や設備に打ち込み被害は少なかったのですが、現在では、練習よりもコースデビューが先になり、思いがけない打球事故がおきるものと感じています。
 こうした中で、打球事故の防止でネットを立てるとか、ショットを規制する木を植栽するとか、逆に打球の落下点を広げるとかの土木工事、まさに職人芸が光る場面が増加しています。

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 また、経年劣化による、施設や設備の修繕とは土木工事による測量や重機の運転、コンクリート打設、鉄部の塗装、看板の作成等々多種多様な作業をこなす人材が必要です。
 こうした職人的な作業を、自前でこなすことが必要になり、その人材の確保がますます重要なのは、いま一番のポイントであると思います。

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 一方この職人たちの活気をもたらすには、新入社員の採用であり、教える楽しみは先輩社員の生きがいでもあると考えます。
 世界でも優秀な日本人ならば、命令された内容が間違っていたとして、その間違いを修正して作業を行える能力があると思われます。
 例えば日本の農家は、米の作り方や野菜の作り方は工夫が見られ、間違った農薬使用などありませんので、世界に誇るべき商品を作っているものと感じます。

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