2017年02月12日

目土のやり方

張芝の目土
 芝の管理は目土次第という話であります。

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 現在のゴルフ場では目砂と焼き砂が多く使われており、一昔前の砂と土を混ぜた目土は少なくなってきました。(張芝の場合は砂と土を混ぜた目土が欠かせませんが)
目土の意味を問われると、一言では説明できませんのが敢えて言うならば、目土をやれば芝は良くなるという事でしょうか。
 最初に芝張り(種を播く場合もありますので、これを除いて話を進めます)をします。この時に目地(メジ)という言葉が出てきます、芝片(四角に切り取った芝片=ソッド)を並べていきますが、その隙間を目地と呼んでおり、目地を埋めて空間をふさぐとき使うのが目土です。

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 また、その後地際の保護と生長点を守る為、また凸凹を均し平らにする為、さらに古くなった芝や枯れた芝や根(サッチ)を分解する為、目土をします。
 密植度を上げる為(美しいターフを作る)には、刈込と目土を繰り返しますが、肥料分を適時に与えなければなりませんので、これらは三位一体の工程だと考えます。
(この目土のタイミングは成長するときですので、芝の種類によってタイミングは異なります)

砂の定義
 目土の材料は、先ほど述べたいわゆる砂でありますが、砂と土とは何が違うのかというのかという質問が出ると思います。
しかし砂を定義しないと話が見えなくなるので、それをはじめに整理します。
石を細かく砕いていくと砕石(砂利)になり、さらに細かく砕いていくと砂になり、さらに細かく砕いていくとシルトになり、さらに細かくすると粘土になります。
この過程の中で粒径が2mm〜0.05mm付近を砂と呼んでいます。
しかし土と呼ばれているものは、生き物が生活できる有機物が含まれており、大概は植物の腐食したものが長年堆積してできたものです。
 また焼き砂は読んで字のごとく、砂を工場で焼き、雑草の種や病原菌を殺したもので、乾燥しているので、高級目土(目砂)として取扱いされています。
 コース管理で一番お金を使うもの、それは砂かもしれない。
 予算によって、砂の質と量を変えなければいけないのですが、湯水のごとく予算があれば、おそらくその矛先は良質な砂を多量に使う事になると思われます。
しかしまた一方では、芝の地際に分厚く砂を播くことはできません、砂の分厚い所は成長できなくなり、やがて枯れてしまいます。
やり過ぎは禁物ですが、芝の丈に対し20%位を上限と考え、それも2〜3回に分けてやるのが良いと思います。(もちろん目土前は刈込みをしておかなければいけませんが、急激な低刈りは芝生を傷めますので、30%以下という原則を守りたいものです)

目土散布機
 この均一目土散布を可能にした機械が、「目土散布機」という名前でゴルフコースが所有していますが、人間ではなしえないスピードで均一(厚さを調整できる)に散布されていきます。

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 この機械が発明されていなかった昔は、スポーツターフなどという綺麗な芝生は管理が不能であったのではないかと考えます。
 スポーツターフという言葉は、最近耳にするようになりましたが、ゴルフ場ばかりでなく、テニスコートや野球場やサッカー場など多くの綺麗な芝生が見かけるようになりました。
 芝生の上で、スポーツするのですから、それは密植度と硬さと強さが求められます。
勿論、回復力も重要なポイントとなります。
 その中でも、やはりゴルフ場のグリーンは最高の状態を保っていなければならない聖域とも思われる空間と言えます。
そこには、ボールが落ちてもへこまない強さと、ボールが早く滑らかに転がる、つまり均一さが求められているからですが、ゴルフ場の管理ができれば、きっとなんでもできますね。
posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2016年12月13日

コース管理の人間模様

 ゴルフコースの立地は都会にあることが少なく、反対に郊外あるいは山岳にあることが多いと思います。
また40年前の建設ラッシュ時は、全国あらゆるところでゴルフコースが造成され、雨後の筍のように増加しましたが、現在では新規誕生するゴルフコースは稀となりました。
 当時ゴルフコースの「芝管理」教科書が少なく、コース管理マニュアルと言われるものも存在せず、常に対面で先輩の指導を受けて仕事をしていたことが思い返されます。

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 また働き手も農家あるいは手先が器用な大工さんや左官さんが多かった気もしますし、新入社員がコース管理に配属されたのは数少ない時代だったと思われます。

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 こうした背景の中で、仕事は日々何が起きるか不明であり、何か起きるたびに原因と対策を考えたことが思い出されます。
 何しろ芝草は生き物であり、芝草の気持ちになって感じることが大切な事と考えていました。
 しかし、振り返ると40年後の現在も昔となんら変わっておらず、ただコース管理のスタッフ人数が少なくなっていることは事実で、少ない人手で最大の仕事をすることが求められています。
○○ができる人が重要であり、なんでもできる人は何もできない人と言われることもあります。
○○ができることを積み重ね、全ての仕事がこなせるようになるまで約10年という単位の蓄積が必要かもしれませんが。

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 自分のゴルフコースの周辺を見回すと、隣接するゴルフコーススタッフの面子は長年
変わっていませんが、親会社が変わるたびに正社員は減少し、パートやアルバイトが増加となっているようです。
 しかしながら、ゴルフ業界全体が大衆化(接待ゴルフは縮小し、且つ会員は高齢化し減少を辿っています)しなければいけないようなので、初心者の受け入れを考えてコース管理を計画しなければいけません。
 例えば、昔は平均的に上手なプレーヤーが多く、隣接の施設や設備に打ち込み被害は少なかったのですが、現在では、練習よりもコースデビューが先になり、思いがけない打球事故がおきるものと感じています。
 こうした中で、打球事故の防止でネットを立てるとか、ショットを規制する木を植栽するとか、逆に打球の落下点を広げるとかの土木工事、まさに職人芸が光る場面が増加しています。

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 また、経年劣化による、施設や設備の修繕とは土木工事による測量や重機の運転、コンクリート打設、鉄部の塗装、看板の作成等々多種多様な作業をこなす人材が必要です。
 こうした職人的な作業を、自前でこなすことが必要になり、その人材の確保がますます重要なのは、いま一番のポイントであると思います。

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 一方この職人たちの活気をもたらすには、新入社員の採用であり、教える楽しみは先輩社員の生きがいでもあると考えます。
 世界でも優秀な日本人ならば、命令された内容が間違っていたとして、その間違いを修正して作業を行える能力があると思われます。
 例えば日本の農家は、米の作り方や野菜の作り方は工夫が見られ、間違った農薬使用などありませんので、世界に誇るべき商品を作っているものと感じます。

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posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2016年12月12日

コース管理機械の替え時

 自家用車の買い替え時と重なって、思い悩むのがコース管理機械達です。18ホールで新車ばかりを買うと、約2億円と言われるほど、スーパーカー達が並んでいます。
中には、エンジンが全く無しで牽引するものも。・・・何百万円?
 どうして高いの?と言えば、手作りだから生産ラインに乗っていないから、町工場で特別に作っているから等の事情がありそうです。
まさに発明工夫さながらのいでたちで、注文に応じて作っていること間違いなしです。
例えば、自動車の2tダンプや軽トラを改造して新たな作業機械を作ったものがありますが、乗用カートを自前改装してタンク車を作るのも有りです。

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 さて、ゴルフコースの管理機械で一番多いのは刈込機械達で、ロータリーモアとリールモアがあって、横回転や縦回転で全く異なる刃をしているものです。
ロータリーモアは、鉈刃とも呼ばれて鉈が横に回転し、ちぎられるように葉は刈り取られるし、リールモアはリール刃と呼ばれる独特の刃で下刃とワンセットになり、両刃に挟まれて、葉はカットされます。また刃のセットは複数が多く、3連とか5連とか7連があり、奇数ばかりなので不思議なのです。

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 コース管理の主な作業は、刈込、収集、踏む(転圧)、施肥、施薬、更新、目土、芝剥や種まき等ですが、土木(土木水道)や舗装や大工などの作業や伐採や植栽が多いので、何屋なのか判断できません、一言でいえば、農業=農家の基本的作業と同じです。

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 刈込はモアという名称で販売されていますが、以下収集はスイーパー、転圧はローラー、施肥と施薬は散粒と液体散布機、更新はコアリング系かパーチカル系の機械に分かれ、目土は散布機、芝剥はソッドカッター、種まきはシーダー等という名前でおおよそ区分されています。見た目の姿や形が宇宙機械の様になっており、名前が多種多様、分類が困難なものです。さらに自走式と牽引式、乗用式と仕様が分かれるため、これを操る事(運転すること)が重要になっています。

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 さてここからが本題ですが、これらの機械達の寿命は何年でしょうか。
機械達は運転時間をアワーメーターとい計測器で積算され、ある寿命が設定されているようです。実際はこの設定すら過ぎてしまい、危険信号が点滅しても動かしている現状があります。ゴルフ業界はいま不況に陥っており、集客力が劣り且つプレー単価も下落し、収入は良かった頃(バブル期)の半分以下になっていますので、買い替えができません。
 すなわち修理を重ねて、日々の作業を行っているゴルフコースが沢山あります。
その機械の修理費用が嵩み、ますます運営困難に陥ります。
クラブハウスの老朽化による維持修繕と同じくらい、コース管理機械の修繕費は膨らみそうです。
 コース管理機械の修繕を検討するときは、新規購入金額の30%以下と考え、それ以上ならば修繕をやめるのも決め事として重要です。
 管理者として最も重要なことは、機械の修繕費を抑えること、費用が増加することはイコール利益が減少することと同じで、日々の点検整備がこの修繕費の削減につながります。
 日々機械の管理は、大昔はメカニックキーパーが担ってきましたが、現代は使用者が点検と整備をすることが大切と思われます。
 またこの点検整備こそは、コース管理の心臓部であると考えて良いと思います。
この日々の点検としては、使用した人が機械の異音、異臭、発熱、動作不良を感じ報告することで、その役割は達成できます。
 日本人は世界一優秀な民族といわれ、機械の管理に関し、几帳面な性格や疑問を持ち、取扱いの工夫ができる人々だと信じて疑いません。
posted by ミナミフジCC at 11:53| コース管理入門編

2016年12月11日

刈高の妙

 グリーンの刈高4mmとかティグランドのそれは15mmとか、あるいはフェアウェイのそれは25mmとかラフのそれは40mmなどと業界の話を耳にします。

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 それは噂話に過ぎず、日本のプロトーナメントでは夫々3mm、10mm、20mm、60mmとか言われ、さらにファーストカット30mmとかもあるらしい。
まあ何のことかは判りにくいですが、画像としては綺麗に色合いが出ますし、ラフに打ち込んだ時に、アマチュアならばラフでボールは見つからないし、深くて打てないというところですか。またドライバーの落とし場所はフェアウェイを狭く(大体10m以下)して絞り込んでいます。

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 さて、私は時々マスターズトーナメントをテレビで観戦しますが、オーガスタナショナルのラフは綺麗で、ボールは探しやすいし打ち易いが、グリーンのアンジュレーションはすごく高低差があり、寄せもパットも受け付けないようです。またバンカーはプレーヤーから見やすく砂が地際まで持ち上げられているが、距離感がカモフラージュされ、ベストポイントに球を置きにくいように設計されています。
一方、全英OPが行われるコースはリンクスで、自然そのものの起伏があり且つラフが深いようです。さらにバンカーは、ポットバンカーが普通で、深い穴の底に砂が平らに敷かれており、側面は芝が積み重なったように見えます。
 河川は自然の流れそのままで、昔からそこにあったと思われます。
この対照的な二つのゴルフコースは、全く戦略が異なるゴルフコースであり、興味深いものです。
本題にもどりますと、芝の刈高はゴルフコースの肝でありますし、どの様なプレーヤーが多く、お客様が何を望んでいるかにより設定は異なります。(一応毎日の刈込によりセッティングは変えられますが)
最近の若い者等はマナーが悪いとか、昔の一流コースは紳士ばかりだったとか、コースのコンディションにケチをつける人は皆無だったとかという話を聞きます。
いまゴルフコースで大切なことは、いまどきのプレーヤーの腕前とか、何人プレーするのか、今日のコースセッティングとプレーヤーのスコアーはどうだったのかであります。
コースセッティングとは、そういう内容を含み設定しなければいけないと思います。
何が自分のコースの特徴なのか、何が喜ばれ何が疎まれているのか、その答えは異なりますが、刈高の妙と答えは一致するものと感じます。

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 当ゴルフコースは、緑豊かに美しい芝生と、打ちやすいラフ、転がり易く早いグリーンが望まれていると思われ、噂話と異なる刈高を実施しています。
どちらかというと短めな刈高を演出しています。
また当ゴルフコースは、ラフ刈りの面積が大きなため刈込作業時間を取られること、さらに地形と地質が絡みモアが破損しやすい特徴があります。
その為壊れなくて刈後後が綺麗になるラフ刈機種とは何かを考え、刈機種を選定しています。
(それが何かは秘密にしておきます。)
posted by ミナミフジCC at 09:41| コース管理入門編

2016年12月10日

木々の伐採や植栽など

 ゴルフプレーにおける戦略上の名木は、何故そこにあるのか?とよく聞かれます。
当ゴルフコース#16のPAR5ロングホールのティーショットの鍵となる「樹齢約150年モミの木」は、その名木であります。

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 聞いた話では、もともとコース上にあった樹木で、その名木を戦略上残したようです。
このような名木は設計の段階から目をつけられているものですが、さる高名なゴルフコース設計家の先生に一般論をお聞きしたところ、その名木があるから、それを生かすため、コースレイアウトをするようです。
つまりは、コースレイアウトには全て設計者の意図があり、細やかな観察や感性・ゴルフの世界感があります。

 ゴルフコース設計の歴史上には必ずイギリスのアリスター・マッケンジーが登場してきます。
かの博士は、ボーア戦争に軍医として参加したときのボーア軍のカモフラージュ作戦が設計に影響を与えたと回想しています。

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 さて、コース管理者にとって樹木の管理は重要なポイントでありますが、例えば、台風により木が倒れた、あるいはヘビーラフの木が大きくなり枝をぶつけ競い合っていて枯れ始めた、あるいは木々が成長し枝が大きくなり芝生が日影になり雑草が増えた、同じく木々の密集により風がグリーンに入らないのでグリーンにカビやコケが繁茂しているなどです。
勿論、設計者の意図する名木はどうやって保存するのか難題が残りますが。

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 さて当ゴルフコースにおいて、#14グリーン上に最近カビやコケが繁茂したが、原因はラフの木々が成長し密植状態に陥った為、太陽の光と風が入らないことと判断しました。
そこで、グリーンの南側斜面の山側と谷側の数十本を伐採し、抜根や整地並びに排水枡の設置と芝張りを実施しました。
このために費やした期間は1ヵ月余りで、時期は3月であります。
その後は、くだんのグリーンは生き返って、ベストコンディションを保っています。

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 ところでゴルフ場の木々の伐採は一、プレーヤーから反対ということが多いと思われます。
なぜなら伐採すればコースの景色は変わり、本人の深い思い入れが失ったりするからです。
しかし、自然や植生は時代の経過とともに変わりますが、最近の日本における天候が変化していることは皆さんも知っていると思います。
 例えば地球の温暖化により、気温は上昇し海面も高くなっていることが挙げられます。
最近は台風が日本近海で発生し、台風被害の台頭となり、同時に日照時間が短くなり曇天日が増加しています。

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 ゴルフ場の芝は、この環境に対応できず、成長が抑制されることもしばしありますし、長年異なる環境に持ちこたえてきた樹木も、芽だし時期や開花時期、さらに落葉時期がずれ始めてきました。
 農業の作物分布図が変わるとか、漁業が収穫分布図も変わる・・・、芝の分布図も変わります。
最終は寒地が無くなり、暖地か亜熱帯に変化するなど予想を上回る展開もあります。
そうなると植栽は徐々にやり直しに入り、樹木(森林)は歴史とともに変わっていくかもしれません。

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posted by ミナミフジCC at 09:09| コース管理入門編

2016年11月07日

グリーンの転がり

1.グリーンの転がり
秋は競技会が盛んになりますが、競技者の要望は硬くて速いグリーンを求めています。これが難題で管理者が最も困ります。
全ては天候によるなどとは言えませんので、ある程度は満足が得られるグリーンに仕上げていきます。
具体的な数値を紹介しますと、スティンプメーター(注※7)で10フィートを、コンパクション(注※8)で10.0kg/㎠を目指します。

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(注※7)スティンプメーター:考案者エドワード・スティンプソンで、雨樋状の筒の中にボールを置き、筒を傾けグリーン上を転がった距離をいいます。
(注※8)コンパクション:硬さの指標であり、本来は◯kg/㎠ ですが、国内では山中式の計測器を使い、突起物を打ち込む時のバネ数値23mmなどということがあります。(換算式は以下の通り)
    P=100x/0.7952(40−X)(40−X)
Pは支持強度kg/㎠、Xはバネの伸長mm


グリーンの速さは、雨や風の影響を受け、また長年蓄積した作業(更新作業や目砂)の積み重ねの成果が問われます。
例えば安易にローラーなどをかけると、硬くて早いグリーンが出来上がりますが、根が切れてグリーンは弱ってしまうこともあります。
但し、床土が全て砂ならばまだ異なる結果となると思われます。
当コースの建設時に、芝の管理技術が無かった為、設計がどうなっているか不明でありますが・・・排水や床土の問題は毎年少しずつ改善するしかありません。
柔らかなグリーンはボールマークがつきやすく、ボールが突き刺さってしまいます。この傷は修復しなければどんどん赤く枯れてしまいます。
プレーヤーが修復するのは嬉しいことですが、フォークで持ち上げ根を切ってしまう事もあります。
従って、硬いグリーンは管理上も重要なテーマであり、硬度数値は大切な目標となっています。
posted by ミナミフジCC at 08:26| コース管理入門編

2016年11月06日

排水について

2.排水について
ゴルフコースの雨水は一体どこへ行くのか?などと考えることも少ないと思われますが、実はこの水の流れこそがコース管理を決定づける重大な要因なのです。
土木工事は排水の流れを考え、集水枡や貯水池などを経てコース外に排水されるように設計されています。
しかし、ゴルフコース場外の高い土地からも水は流入してきますので、隣接地からの排水路も確保しなければなりません。
さらにこの排水路や排水パイプも経年劣化で破損し、あるいは管が目詰まりし、役に立たなくなる事もあります。
排水と言えば、側溝やパイプをイメージしますが、水の大半は表面排水(芝の表面を流れる)が一番重要だと言われています。
水は高い土地から低い土地に流れますが、ゴルフコースは自然なアンジュレーションというものが大切で、切り立った崖や、勾配のキツイ斜面は好まれません。
プレーヤーはフラットな位置にボールをキープし、そこから次の目標に向かってショットしていきます。
簡単にいえば、点と線のゲームといえます。
ティグランドもグリーンも比較的フラットな地形に立地しているものの、それなりに排水が必要であり、設計の意図する排水勾配を、管理上も維持しなければなりません。
フラットと言え、最少勾配の1%あるいは2%の勾配がついているものです。
日本は火山国なので、ゴルフコースの地盤は、火成岩等とか火山礫等とか粘土質なローム層等などと別に区分されています。
果たして自分の管理するコースの地盤はどうなっているのか、排水が良いのか悪いのかを管理者は最高の注意を払っているものです。
排水が良ければ全てよいとはいえず、ある程度の水分の蓄積も必要と思われます。
それらは、芝の健康状態を見ながら手を打つ必要があります。
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さて、前置きが長くなってしまいましたが、当コースは富士山の裾野に位置し、先に掲載したとおり、岩が多いです。どちらかと言えば排水は良好であり、やや過ぎたアップダウンは、表面排水が良く、芝の管理上はやり易いです。
また当コースは富士山の南斜面に位置し、冬場は積雪が少々、積雪によるクローズは少なく、日中は温かいのが特徴になります。
まあ、北斜面はスキー場向き、南斜面はゴルフ場向きということが言えると思います。
表面排水はよろしいのですが、逆にバンカーは水を集める構造になっているため、この排水に作業の多くを費やしています。
在る時バンカーの排水があまりにも悪いので、地下を掘り続けてみると、地層が変わり排水可能な割れた岩にぶつかりました。その時は金を掘り当てたような嬉しさを実感しました。
さて、表面排水以外ですと、開渠排水(河川)、暗渠(地下排水)等があります。
ゴルフコースには自然な河川が流れているものですが、過去に流れていた河川を生かすことばかりでなく、ルートを変更にする場合もあります。
管理者は、排水ルートを頭に入れておき、排水不良が起こったら適切な工事を実施しなければなりません。
当コースの排水不良個所は、経年による地盤沈下や、表面排水勾配が確保されていない、あるいは地下の暗渠排水が整備されていないなどの理由が多く、いつも迷う事ばかりです。
一番安上がりな事は、昔から行われてきた粗朶暗渠(木の枝を縛って、溝の中に詰める)ですが、砕石暗渠(溝の中に砕石詰める)も、なかなか良い方法です。
これらも視野に入れながら、溝掘り後暗渠排水パイプを埋めて、粗朶巻や砕石巻などを実施しています。(この際は高低差の測量が必要)
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コース管理の作業は、芝の刈込が終わると、この排水工事に時間を費やすことが多く、毎日が土木工事の連続となります。
シバの健康管理=排水工事とプロは考えています。
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posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2016年11月05日

水道あれこれ

3.水道あれこれ
あれ、このゴルフコースは市の水道使ってないのか?とプレーヤーに言われます。
えー?市の水道使っている方が少ないのではないですか、と思ってしまいます。
さてさて、どうなっているのでしょうか。
いくつかのゴルフコースをお聞きしましたが、水源が少ないゴルフコースも多く存在し、溜池を水源とした、散水も多いようです。
そのようなゴルフコースのクラブハウスでは、お風呂やトイレと厨房などは、市の水道水を使っており、芝への散水も溜池プラス市の水道という事になっているようです。
また水道水は、浄化と殺菌がされ、人には優しい水ですが、芝に散水するには価格が高く、また殺菌された水道水は自然の雨水とは異なります。
先日米国の貯水地の水が減り、家庭で芝への散水が制限されるニュースを見ました。
なるほど、ガーデン=芝生=散水となっているのです。
日本は世界一清潔な水を飲んでいると言われていますが、やはり軟質(弱酸性)を飲んでいる人は、ヨーロッパ系硬水(弱アルカリ)には弱いようです。
どのような水質を芝生に散水しているか、その時期は、あるいは散水量はなど、管理者泣かせの問題です。

  また日本の降雨量は、世界の中では多いと言われていますが、この降雨量が毎年減少しているようです。最近では年間1500mm平均となり、一昔前の半分くらいになっているようです。(積雪が減って、年間降雨量が少なくなっているような話も聞きますが)
  
  さて、本題の当クラブの水源の状況ですが、地下水(深さ100mで2井)をくみ上げており、貯水タンクに8時間で500tストックします。

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すなわち1井戸当たりは毎分500Lの湧出量を持っていますが、水源調査では、例の  富士山のバナジュウム水と言われ、健康にも良いとされています。
  その天然水を惜しげもなく、夏場に散水しているので、芝が元気に育っています。
  本管は100φで、枝管は50φが基本的でありますが、場所によっては75φとか40φなどもあり、給水管の歴史も感じます。
  さらに、最近は塩ビ管から柔軟な蛇腹管に入れ替えしていると聞きますので、時代とともに設備は変わっていくものと思っています。

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posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編