2017年03月03日

カート道路の凸凹補修


カート道路の凸凹補修

 はてさて、通常の舗装道路とは異なり、私たちはゴルフコース内の舗装道路を管理しているわけですが、道路管理は問題が多いものです。
 高速道路ではない、国道ではない、県道ではない、市道でもない・・・・、つまりは私道という事になり、その基準は工事予算によるという事でしょうか。
 このカート道路の保守にお金が欠けられるか否かは、まさしくゴルフ場の経営状態がどうなっているかの判断材料にされやすいものです。

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 多くのゴルフ場は、このカート道路の凸凹までお金と手間をかけておらず、どこにプレーに行っても残念な思いをしながら帰ってきます。(カートが揺れる度に小物が落ちます)
さて舗装道路も10年を目途に、急速に劣化すると言われています。
 この凸凹になる理由は様々あると考えられますが、道路工事の施工にお金をかけていない事が一番でしょうか。
 
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 道路補修工程は、表層のアスファルト(一部コンクリートもある)をカッターで切り撤去し、下層路盤を均し、その後プライムコート(アスファルト乳剤)を散布し、砂を散布してからアスファルト合材を入れてローラーをかけて均すといったものであります。
この中の下層路盤ですが、これが全くない道路が数多くあるのですから、補修工事は大変です。(下層路盤が無ければ、クッションがないベッドのようなもので、車両の重みに耐えかねず、道路表面はすぐに壊れてしまいます。)

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 さらに、道路の排水やコースの表面排水を考慮していない場合があり、修理してもすぐに破損してしまいます。(道路や道路わきにいつも水が溜まっているところは、道路がすぐに破損します。)
また表層のアスファルトの厚さが云々されますが、通常は厚さ5cm(公道)で行われており、ゴルフ場では2cm〜3cmの厚さが多いものです。
さらにコース内のカート道路は、電磁誘導線が埋め込まれているため、この線の張り直しが必須であり、さらに水道管や地下埋設ケーブル(電気)にも注意しなければなりません。
カート道路の補修時は、砕石層の下層路盤(約50cm)を掘り下げて、道路を横断するこれらのライフラインの入れ替えも発生することから、話は簡単ではありません。
さらに道路に木の根株があると、この木の伐採と抜根作業が増えます。
さて、どのゴルフ場にも当てはまりますが、地面の下に何が埋まっているか、あるいは地面の下の工事はきちんと行ってきたか等には疑問が残ります。

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 50年経過した今こそ、道路整備が必要ですが、いざ整備に入るとこれはどうして、何故こうなのといった問題が発生します。
だからこそ、道路の補修にはいろいろなアイディアと工夫が必要だと考えます。
posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2017年02月19日

バンカーはコースの顔

南富士カントリークラブ キーパー雑感
バンカーの種類
 バンカーとは、砂の入ったハザードであります。主にサイドバンカー(クロスバンカーとも呼ばれる)とガードバンカーに分類されます。
 バンカーの場所を表示する為の名称として、フェアウェイの脇にあるそれをサイドバンカーと呼び、グリーンの周辺にありグリーンを守る意味でガードバンカーと呼んでいます。

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 一方その形状が異なる為の名称として、深いそれをアリソン(英国設計家アリソン氏によるもので、顎が高く反って出しにくい)バンカーとよび、小さくて穴が開いているそれはポッドバンカーと呼んでいます。
ゴルフ場の発祥の地スコットランドでは、芝を積み重ねた法面(壁)を作っていますが、これをソッド(芝を四角に切った片=ソッド)ウォールバンカーと呼ぶこともがあります。
またそのほか、砂が地表まで掻き上げられているサンドフェースとか、芝が地表まで張られているグラスフェースなどとも呼ばれております。

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バンカー均し
 バンカーの数は18ホールで、おおよそ70個から100個ほどありますが、朝いちばんで砂を均しておく仕事が「バンカー均し」と呼ばれています。通常は乗用のバンカー均し機(サンドプロ○○)を使い、バンカー内を走って均しますが、あくまで底の平面のみを均し、それ以外の斜面は手作業で行うこととなります。

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戦略的バンカー
 最近のリニューアルゴルフコースは戦略的設計を取り入れている設計が多く、コースの顔としてグリーンやバンカーが様々な形状に作られていることに特徴があります。
戦略コースとは、パーを狙うルートとボギーを狙うルートが異なり、むやみにピンをデッドに狙うのではなく、安全ルートもまた存在するのです。
 自分で決めた場所にボールを置くのですから、上手くいくかどうかドキドキすることに繋がり、プレー技術を競うことで楽しくなります。
 しかし、コース管理する側に言わせていただくと困ったことになります。
例えば、グリーン周辺のバンカーが大きくなり、またポットバンカーが多くなった場合は、このグリーン周辺の刈込みは面倒になります。またグリーン全体がガードバンカー側に傾斜し、グリーンに落ちたボールはコロコロとバンカーに吸い込まれてしまう設計などは、プレー上はわくわくドキドキでも、雨降りはバンカーに水が溜まりやすくなり、その排水作業は厳しくなります。

バンカーの排水
 日本はそもそも降雨量の多い国であり、雨に恵まれた(風水害の多い)地域にありますので、この事情を考慮すれば、バンカーの排水施設は必至事項なのであります。
 しかしバンカーの排水を前提にコースが設計されるようになったのは、ここ40年位前の話で、それ以前はバンカーと池は同等構造の扱いを受けていたと考えられます。
 バンカーに排水が無ければ後で取り直せばよろしいという話が出ますが、これがなかなか曲者なのであります。
バンカーは建物でいえば地下1Fの部分になりますので、地下水の排水をどうするのかはとても難しいのです。(汲み上げしか方法がありません)
建物ならば壊して新しいものを作りなおすという事になりますが、ゴルフコースも全く同じ事なのであります。
 最近はバンカーの地下に貯水タンクを作って、バンカーに溢れた水を溜めこみ、地下深く水を流すという仕組みができましたが、貯水ブロック(キューブ)と呼ばれており、当クラブも少しずつ試験導入しています。
さて通常のバンカーで排水先への勾配が取れる場合、肋骨排水(枝管を肋骨のごとく本管につなぐ)を取ります。

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 また、排水管は暗渠用(有孔管)を使い、パイプ周辺の水を絞り出して排出しますが、砂と混じった泥が排水管に流れ込むことを防ぐ濾過するシート(タフネルシート)を巻き付けます。
しかし、バンカーに水が溜まり池のようになってしまうと、砂と土あるいはシルト(砂より細かなもの)が混じりあい、この濾過シートが目詰まりして水が流れにくくなるものです。



バンカーの砂
そもそもバンカー砂の理想的な条件は以下のように整理できます。

・粒径がそろって、足で踏みつけて硬くならないもの。
・色が白くてきれいなもの。
・排水が良く水が溜まらないもの。

しかしこうした理想の砂は高額であり、初期費用ばかりでなく補充費用などが嵩み、
長い期間のストックもできないため、常時安定した状況を維持できないと思われます。
(毎年バンカー砂の補充が予算不足の為困難になり、補充しないか、または補充しても毎年異なる砂を補充し、違和感が出やすい。)
posted by ミナミフジCC at 09:33| コース管理入門編

2017年02月18日

ティーグランドの必要な広さとは

ティーグランドとは
 ティーグランド(tee groundあるいはteeing ground)は、出発区域のある一定の広さをもったエリア(グランド)を指しているのですが、プレー上は2つのティーマーカーによって定められた奥行き2クラブレングスの仮想線で囲まれた区域を言っています。
 ここで論じるのは、あくまでコース管理上言うティーグランドであるのでご注意いただきたい。
またコースの長さ(距離)とは、ティーグランドの中心位置から計測されており、グリーンの中心点までの距離をスコアーブックや看板で表記されていることが多いと思います。(フェアウェイ上のボールの落下地点を定め、コースなりのセンターラインの距離表を示す。木々やハザードや山あるいは崖などが存在するので、定められたプレーラインの距離である。)
 通常コースの設計上は出発点エリアティグランド(TG)が狭く、フェアウェイに向かって次第に広がっていきます。多くのゴルフコースでは、TGにはレギュラーティーとかバックティとかフロントティがあるし、さらにはシニアティやレディースティも存在します。
それも、あちらこちらにある(プレーの楽しさを演出するため)のが多く、使用するTGで景色や戦略が異なるのもたのしみと思われます。
いずれのTGも少し高い位置にあって、見晴らしが良く、長方形が多い。
しかし最近では、円形もあるしアメーバ形をしているそれもあります。

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ティーグランドの面積
 TG面積はおおよそ一面200u位で、1ホール当たり数か所の合計が600u位ですが、
例えばスターティングホール(基本的には1番ホールと10番ホール)のレギュラーティーやショートホールのティーは傷みやすく、面積が欲しいと感じます。
 なぜならプレーヤーはスタートホールで素振りをするものですし、ほぼ全員の素振りを受けて芝は無くなっていきます。(特に靴の場所)
 さらにショートホールはティーショットでアイアンを使いますので、芝がえぐられ(ディボッドという)ます。この傷を養生するため、2つのティーマーカーは頻繁に移動することになりますが、移動すればするほどディボットも増加します。
 問題はTGが高い位置にあるため、登り下りするルート(まるで獣道)は何時も黄色く変色していきます。
また、利用者数とTGの傷み具合は比例するものと思われますので、人気のゴルフコースで毎日満員御礼という場合は、頻繁にティーマーカーを移動し、また必要面積も大きくなります。
芝の種類によって、成長期は異なりますが、ノシバやコウライシバ(暖地型)ならば夏の時期のみ成長し秋冬期休眠となり、この休眠期に踏圧やディボッドなどが回復できず痛みが激しくなります。(春先に全面芝の張り替えなども起きます。)
 小さなTGが沢山あることが良いのか、大きなTGのいろいろな場所を使ってやることが良いのかは賛否両論ありますが、最近の傾向は管理しやすい集中型(大面積型)がもてはやされています。
posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2017年02月17日

エルニーニョとラニーニャ現象

エルニーニョとは
 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生します。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられています。
エルニーニョとは男の子の意で、ペルー沖でクリスマス頃から南東貿易風が弱まり、赤道海域から暖水塊が流れ込み海水温度が上昇します。

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http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.html

 ラニーニャとは女の子の意で、南東貿易風が強まり、海面水温が平常時よりも低くなる現象を言います。
前者では、雲の発生はインドネシアと南米の中間多く、また後者はインドネシア側で雲の発生が多くなります。

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http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.html

 現在はラニーニャの続く時期であり、日本では高温で多湿が続くと考えられます。
ラニーニャでの問題点は何か?昨年同様ならばペンクロスベントが被害を受けるということになります。(コウライ芝も被害をうけるかもしれません)
また春から高温・多湿&曇天(日照時間が少ない)が続くと、グリーン更新作業の時期が問題になるし、場合によっては更新作業を避ける(実施しない)ゴルフ場もあると思われます。

グリーンの健康管理
 春と秋の良い季節が少なくなれば、ペンクロスベントグリーンにとって苦しい一年を迎えますが、今後の管理方法はこのことを頭に入れて実施しなければなりません。
 過去においてグリーンの更新作業を怠ったゴルフコースは、次第にグリーンが病気になり、雑草が増え、また茎葉が柔らかくて傷つきやすいという事が起きます。
 夏期、病気治療薬を常時使用するため、高額な管理費を負担することになります。
グリーンの健康をどのように維持するか、あるいは構造的なリニューアルをするか、草種転換をどのように行うかが鍵になるような気がします。

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posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2017年02月16日

天気予報とコース管理

天予報の精度
 天気予報は、情報のツールとして誰でも正確なデータと正しい予報を得ているものと理解されていますが、これが大きな間違いだと私は感じています。
正面切って天下の予報に反撃するのは、業界では初めてかもしれないし、それはおかしいと言われるかもしれません。
 皆さん、本当に天気予報を信じていますか?それとも予報は大体の方向であって、目安に過ぎないと考えていますか。

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 私は後者であり、一般的な予報でなくて、経験上自らの予報を信じて疑わない一人であります。
 田舎で農業に長い期間従事している方に、××ならば天気は崩れるとか、○○のときは天気が回復するという話を聞くことができます。
 それは、貴重な情報であり且つ一般的天気予報より地域に限っていえば、過去からの伝承も含めて正しい予報と感じます。
 「あの山に雲がかかると1時間後に雨になるとか、あの丘の空が明るくなったら2時間くらいで晴れる」とかいう話であります。
 コース管理は、誰よりも早く且つ正確な天気の予報士でなければ、仕事ができないことが多くあります。

作業計画
 例えば、何ミリの降雨があるならば施肥作業を計画しよう、快晴ならば目土をしよう、気温最低気温が10℃で且つ最高気温が15℃ならば更新作業をしよう、風は南向きならば気温は上がるが逆ならば気温は下がるので風向きで作業は変えよう、などなど天気によって基本作業は変えなければいけません。
 また作業は天気予報が的中すると準備が良い(段取りが良かった)となります。

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気象変化
 概ね天気予報と実際の天気がずれやすい原因は、低気圧の進む方向と所要時間が異なる事によって生まれやすいものですが、上空の風によっても左右されるようです。
 台風は特に予報が外れやすいことが多く、予想進路などは毎日猫の目のように変化します。
 さてゴルフコースがある富士市は、富士山の山麓に位置し、台風は必ず富士山を避けて北側または南側を通過すると言い伝えられております。
 さらに、富士山級の高い山は、上昇気流が起きやすく且つ低空の風は山にぶつかり方向が変わりやすく、上昇気流で発生する雲は雨となりやすいのです。
 当ゴルフコースは、富士山の南側に位置する標高600mという立地で、天気は変化しやすい場所です。例えば雨が止むと霧になるとか、気温が上がると霧はいつの間にかなくなり、雲が去ると太陽がすぐに降り注ぐとか、一日の間に何度も天気は変化します。

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美しいグリーン
 良い点は夏が涼しくベントグリーンの緑は美しく、また南斜面ゆえ冬は暖かく且つ雪はすぐ解けるので積雪クローズは少ないなどのこともあります。
 また標高が高いので、ティグランドには1年中青々と成長する洋芝を使って成功していますが、周辺の標高の低いコースはこの洋芝の生育が悪いようです。この洋芝は冬期間にノシバやコウライシバ等暖地型芝が休眠=枯れるのに対し、みずみずしい青さが目に付き、富士山に積もった雪景色と一対になって美しさが印象に残ります。

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posted by ミナミフジCC at 14:35| コース管理入門編

2017年02月15日

河の流れと排水管

排水管ルート
ゴルフコースのあちらこちらに排水管が敷設されていますが、竣工時から施工されている管はもちろん、40年経過すると枝配管はあちらこちらに増えていきます。
なぜなら、経年による地盤の陥没、地表の不陸、植物浸食、台風による倒木・・・により微妙に表面排水は変わってゆき、災害復旧の為、管の増設や新設が続きます。これらの日々の土木工事は、ゴルフコースの管理維持に欠かせない作業となります。(あくまで本管ではなく枝管の話ですが)
ところで、本管(本流)と呼ばれる排水管は、地質や地形あるいは森林の状況などから決まった場所に設置され、長年手つかずの状況です。
この本管の設置ルートは、竣工前コンタ図(等高線)及び伐採面積と土切盛等により計画されます。
また過去の水の流れがどうであったかがポイントで、土の切り盛り工事後であっても、工事以前の地形による本来の水の流れは変わらず、河川(開渠)に代わる排水管(暗渠)・・・いわゆる本管が埋設されていると考えてよろしいかと思います。
またその太さは、川の流れの様に上流より下流が次第に大きくなる(直径が大きくなる)ものです。

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排水管沈下
排水管と言っても地面の下を走っている管(横管)と地表に顔を出している枡(縦管)がありますが、この枡(縦管)の監視により多くの問題が判明します。
例えば枡に泥がたまると周辺の緑化(植栽や芝張り)が失敗していると判断できますし、降雨時に枡周辺が池となって水が溜まると、地下の排水管が壊れているか又は枝葉やごみが管に詰まっていることが想像できます。

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さらに枡(縦管)が沈下していて、枡周辺の土が沈んでいるおり且つ管(横管)にそって陥没あるいは穴が開いている場合は、排水管が潰れて地下層の土砂は流れ、土中に空間ができていると判断します。
このような排水関係の崩壊がおきないために、排水路途中に溜池を作って急激な水の流れを止めるような計画がなされていますが、この池が破損すると、さらに被害甚大になりますので注意が必要です。

調整池
溜池は調整池と呼ばれ、貯水量が設定されていますが、池の底に泥が溜まるとその貯水量は少なくなりますし、池の中に地割ができると漏水が起きて貯水ができなくなります、また同様の事が吐口の破損でも起こります。
これらの池は、プレー上のウォーターハザードになっていることが多いのですが、プレー上の池がイコール防災上の池ではないため、プレーヤーと管理者の話が異なる場合が良くあります。
例えばあの池はプレー上意味がない、こちらに作ってくれとかという話がありますが、ではその池の水はどこから引くのかどこに流れていくのか、またプレー上の池とは防災上必要な池と同じ役割を果たすかどうか、などを検討しなければならないのです。

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排水管交換
さて話は変わりますが、ゴルフ場の建設ラッシュは1970年代でしたから、それから40年あるいは50年経過したコースはたくさんあります。
またこの時代に設置された排水管は、コンクリート管(ヒューム管)かコルゲート管(樹脂管)が多く、40〜50年経過したこれらの経年劣化はもちろん、地震が頻繁に起きる日本にあっては、点検や交換が必要な時期を迎えているものと感じます。

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枝管はせいぜい1m位の深さで敷設が可能ですが、本管は2m〜10m位の深さに設置されていることが多く、道路やフェアウェイを横切る場合も多いものです。
従って工事不可能な場合もあり、今までと異なる発想で修繕を行う事も検討しなければいけない場合があります。
これから古い(言い換えれば伝統と歴史のある)ゴルフコースのコース管理責任者たるもの、この排水管をどう入れ替えるのかを念頭に入れなければならないのです。

江戸の河川
ここでしばし休憩タイムです、江戸はどうやってできたのかについて触れます。
江戸時代以前は荒川の氾濫により、江戸は草ぼうぼうの湿原であったらしい。
そこで江戸に流れ込む水量を調整するために、荒川の上流で利根川に放流し、水量を調節して荒川や隅田川に流し込むという河川工事をおこなったと言われています。
つまりは、河川の流れを変えて湿原を乾地に変え、江戸を作ったという事です。
従って、江戸はもともと巨大な洲であったがため、それが住みやすい都市に転換できたということです。
ゴルフコースもある意味、河川工事に該当する排水パイプの埋設で成り立っていると感じています。
posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編

2017年02月14日

草取りとスマートフォン

スズメノカタビラ
 ゴルフコースは雑草の宝庫でありますが、雑草をどのように抑え込み、育てたい芝草(品種)の密植を上げるかが勝負所と思います。
ゴルフコースの雑草NO1と言えばスズメノカタビラでありますが、実はこれ(本名ブルーグラス)を育ててグリーンを作っているゴルフコースもあります。
雑草とは何か?判別が難しいところでありますが、スズメノカタビラは穂ができやすく且つグリーン上では球はスムースに転がらないものです。
このスズメノカタビラの話はいくらでも尽きないし、日本のゴルフ場の多くが悩んでいるのが現状です。私の見たところでは、国内ベントグリーンにおける過半はかの品種が繁茂しており、そのグリーンに占める割合では50%あるいは60%に達しているコースすらあるのです。
誰がこの種を播いたかなどと話は出ませんが、かの雑草はコースのあちこちにあるものですので、プレーヤーの靴の底などについてグリーンに運び込まれるかもしれません。したがってコース内のかの品種の絶対数を減らしていかなければいけない・・、と言われますので、普段からどこにあっても除草が大切です。

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公園の雑草
 さて話は変わり河川公園の芝生を思い出してください、これらの多くはクローバーやタンポポやノチドメやアカザなどの広葉の雑草に覆われていますが、全く気になりませんね。
 公園における芝管理は、年間数回の刈込みで支えているようですが、多少の雑草はむしろ緑化する意味ではプラスと考えているものと思います。
但し、この公園管理程度でゴルフコースは集客できるのでしょうか。
公園は無料(税金?)で提供されていますが、ゴルフコースは有料であり且つ経営の予算で実施されているため、平均的にという言い方は困難であり、売上に見合ったコース管理予算というのが答えになると思われます。

コースの雑草
 バブル期のコース管理スタッフは18Hで20人程度がおりましたが、今は半分程度に縮小されており10人程度、すなわち人手は売り上げ次第という事に繋がっています。
さて表題のスマートフォンですが、今やコース管理には欠かせないものとなりました。
このスマホを見ると我がコースのカート位置情報が表示され、今お客様が何処にいるのかわかりますし、混雑状況も判断できます。
除草(草取り)作業はどのホールでも必要ですが、プレーの邪魔はできませんので、誰もプレーしていないホールを探し歩き作業に集中します。
つまりスマホで一番新しい情報を確認し、有効に作業をしているのです。
このことは、皆進んでやっている事なので、ありがとうという言葉に変えます。

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posted by ミナミフジCC at 09:48| コース管理入門編

2017年02月13日

カップ切りを考える

ホールカッター
 「カップ切り」とは何かを説明しますが、その前にゴルフについて説明します。
さてゴルフとは、直径約4.3cmの小さな硬球を、金属と樹脂などからできているクラブで打ち、芝を短く刈った比較的平らな場所(グリーン)にある、直径約10.8cmの小さな穴(カップともホールともいう)に、如何に少ない打数で入れるかを競うゲームである。
 さて、このグリーンに穴を開ける道具がホールカッターであり、穴の中に入れるのがカップ(ステンレスが多い)なのです。このカップの真ん中に旗竿を入れる部分があって、穴(カップまたはホール)に旗が立っていますが、各ホールでティグランドからボール(硬球)を打ち、ホールの終了とはボールをこのカップに入れることです。
 私たちは、定期的にカップの位置を変える仕事を、「カップ切り」と呼んでいます。
ホールカッターのイメージは、円柱形の空洞で、直径4.25インチで=約10.8cm、高さは4インチ=約10.16cmになっています。
カップ切りは、ホールカッターの頭と地面が面一(ツライチ)ではなく、指の幅1〜2本位の分深く切りますので、12cm位の深さの丸い穴を開けることになります。(この作業は全てが感覚的なので、説明できませんが)
さて作業のもっとも難しいところは、旗が垂直に立って見えるかどうか?と、穴の周りが綺麗かどうか?と、カップの深さは適度かどうか?なのです。
 因みにグリーンは比較的平らな場所でありますが、実は色々な傾斜が組み合わされていますので、体育館の床のようではありません。

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 奥が高く手前が低いグリーンは良く見かけますが、木の葉が数枚広がって傾斜で繋がっているポテトチップス型のグリーンもありますし、真ん中が高く周囲は傾斜ばかりのグリーンもあります。どこにカップを切るかと、どうやって垂直に切るかは神のみぞ知ることになります。
この神聖な作業は、先の3点(垂直・綺麗・適深)をクリアーできていないことがあり、やり直しとなることがしばしば起こります。
 また切った穴の、土くれと芝草(コア)は、今まで切ってあった穴(カップを取り外すと穴が開いています)の位置にぴったり高さを合わせてはめ込むのですが、誰がみても元のカップ位置を探すことができないならば大成功であります。(まるでだまし絵)

芝の健康診断
そのほか、カップ切り作業者に対して作業前に注意喚起される大切な内容は、以下のような項目です。

@ グリーンに傷はないか。
A グリーンに病斑はないか。
B グリーンの健康状態はどうか。

言葉にすれば、まるで臨床医の教科書みたいになってしまい、恐縮してしまいます。

@ の要点は動物の食害とか蹄による傷、最悪人間による悪戯および作業機械の刃の千切りやオイルもれによる障害などを見つけること。
A の要点は、黄色・茶色・赤色・黒色・灰色などの色の変化に加え、匂いや沈みなどを感じて、病気を判定することになります。
B の要点は、芝草の茎や葉の状態をみて、イキイキしているか、葉に捩れがないか、古い葉に中にも新しい葉が出ているか等成長に関するポイントを観察します。

以上表面を見た後は、いよいよ地面の下を見ます。

カップ切りは地面の下の状況を見るための良いチャンスです。
10cmの深さに根が集中していますので、この部分が綺麗に抜けて途中で根キレがないかどうか、また密植度もしっかりしているか、コアが柔らかくなく硬すぎず等々の観点があり、地面の下には大切な情報が眠っています。
一度目の採取はこのコアになります。
次に2回目の採取はこの下ですが、床土の断層面が現れます。
過去の作業の証が断層になっていますが、多くは砂の層が重なって見えますので、その回数を数えるとまるで年輪のようにも見えます。
恥ずかしい話ですが、全ての過去(歴史)がここにすり込まれ、失敗も成功も感じます。
またこの情報が如何に大切かを理解していれば、一流のコース管理者になれると思います。
やった作業の結果も分かり、今後しなければいけない作業も考えられる良い仕事です。

posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編