2018年08月05日

ベントグラスの夏越しを考える

ベントグラスの夏越しを考える

(涼しさを求めて)
今年は、人体に非常に危険な高温が続く毎日となっておりますが、言い換えればゴルフプレーにも問題が出ております。
特に高齢者のゴルフは、家族からも「ゴルフはやめてくれ」といわれ、ゴルフ好きなお年寄りは、プレーを少し控えるようになったと思われます。
こうなると、夏場のゴルフは少ない回数をプレーするにしても、少し涼しい場所を選択するようになってくるわけですが、標高100mで得られる気温の差は−0.6℃となっているので、700mの標高があれば4〜5℃の涼しさが得られると思われます。
さらに風速5mの風と林間コースの日陰があれば、かなり快適なプレーを楽しむことができると考えられます。
つまり、当ゴルフ場はそうした「自然の恵み特典付き」のコースであると思われます。
兎に角平地でのゴルフプレーは、暑くてたまらないと感じる、今年の夏であります。

(先ずをコースに風を入れること)
風速1mは気温換算で−1℃といわれておりますから、5mの心地良い風は−5℃の効果があると考えられます。これはまたグリーンにとっても同じ効果があり、風通しの良いグリーンは夏に病気が発生しにくいものです。
ベントグラスの夏越し(特に今年のような暑い夏)は、どのゴルフコースでも頭が痛い事でありまして、気温35℃を過ぎるような日は、あっという間に「いわゆるグリーンが溶けてしまう」危険があります。
したがって、対策として野外に巨大な扇風機をグリーン周りに設置するコースもありますが、その設備費は電線の距離に比例して、工事価格は上昇してしまいます。
したがって、密集した木々を間伐することが一番低コストで、維持費のかからない方法であるといえます。
プレーヤーにとっても、芝にとっても、コースの維持管理にとっても、それぞれに得の方法を長期計画で考えていく必要がありそうです。

(浸透剤の散布)
ベントグラスの夏越しで厄介な病気に「ドライスポット」というのがあります。
グリーン上のあちらこちらに赤い斑点症状が出て、枯れてしまうわけですが、いくら散水しても水をはじくのが特徴になっています。
すなわち水分の吸収ができなくて枯れることを意味していますので、防除するには浸透剤を使って散水することになります。
もちろん浸透剤は症状の出ているエリアに施し、散水は全体に行うということになります。
さて、ドライスポットの原因は目砂の有機物含有量にあるといわれていますが、どのグリーンも同じように発生するわけではないので、見極めが肝心であると思われます。
この浸透剤には様々な種類が出回っているようですが、安価なものには不良の材料が含まれていると聞きますので、良質の資材を調達する注意が必要でありますし、その使用方法が冬期間から定期的に予防散布を行うなどに変化していることにも留意が必要と考えます。
さてベントグラスの夏場の病気には、タンソ病やピシウム等様々なものがあり、温度や湿度の管理が上手くできていないことが原因であると考えられます。
すなわち、一定の透水係数を確保できるような仕組みを作っていくことが基本にありますが、夏場を迎える前のコアリングやバーチカルや目砂がどのように行われたかを確認していく必要があると思われます。
雨が降った後のグリーンの排水は良好なのか、風通しが良くて乾きやすいのかどうか、苔類など繁茂していないかどうか等、何度もチェックしていく必要があります。

(ニューベントと夏越し)
ベントグリーンの夏越しに強い品種といえば、CY2があります。
もともとC千葉県とY雪印が開発したものですが、現在は海外のメーカーに売買されて逆輸入されるようになりました。
この品種に関して当ゴルフ場の実験によれば、成長が著しく肥料を沢山必要としますが、夏場の安定さは抜群のものであり、ニューベントの仲間としてはおすすめのものです。
また、アルファ種も夏越しに強いことから、当ゴルフ場でも実験が行われています。
さて、どのゴルフ場でもニューベントへの移行はインターシードによって盛んにおこなわれており、その密植度や硬さや色などが異なってきているといわれています。
しかし、夏越しが上手くいくかどうかはとても大切な事であり、予算の多・少では押し測れないことと言えます。
様々な品種がグリーンに蒔かれ、その管理も一様ではないと言えますが、日ごろからの細やかな観察と管理が求められることになっています。
プレーヤーから求められているのは、早くて硬いグリーンでありますが、その目的を達成するためには密度を上げて、サッチを減らす基本管理を続けていく必要があります。
ニューベントはこの理想のグリーンを造るために改良された品種であることから、その活力を使って夏を乗り切っていきたいとと考えます。
posted by ミナミフジCC at 08:03| コース管理入門編