2017年07月09日

芝草の病気

ラージパッチ
最近は地球の温暖化に伴い、様々な気候変動が言われておりますが、特に年間を通じて日照量が不足し且つ雨量が多いため、このラージパッチが多く発生するようになりました。ラージパッチとはコウライシバやノシバに発生しやすい感染病で、通常のパッチは直径数センチの赤褐色の病斑でありますが、ラージパッチは直径数十センチから数メートルの大きさになり、根まで感染して簡単に引き抜けることができるような病気であります。
ラージパッチは、サッチ(芝の葉や茎や根が枯死し堆積したもの)が蓄積し病巣となり、湿度の高い環境で罹患する病気で、春や秋に雨が多い年に発生率が高まると言われています。
また土壌がアルカリ性であれば発症率が高く、窒素肥料の過多でも起きるとも言われています。
人間は、栄養が過多で太り過ぎ、運動不足になると糖尿病とか痛風などを発症しやすくなりますが、植物も同じような病気にかかるという事になりますか。

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発生時期
一般的には、平均気温が10℃〜20℃で多発しますが、その時期は春の3月中旬〜5月下旬、または秋の10月中旬〜11月末と言われています。しかし昨今の気候は暖冬となっており、12月上旬でも発生するようになりました。
春は、15℃を超すあたり予防散布をしなければならないのですが、このタイミングを逃すと予防できません。(この時期は温度計を見ながらの作業となります)
また秋口は、今まで10月上旬を目途に予防散布をしますが、近年は秋霖期(8月下旬から9月中旬)の長雨の1ヵ月間(すすき梅雨)が問題となっています。
この時期は秋雨前線の停滞とか台風が多発し、降雨量が増加し、排水が悪い個所を中心に10月早々ラージパッチが発生します。
つまり、天候の変動は発生時期を長期化させ、過去のデータは役に立たないという結果に陥ります。
このラージパッチ被害は、ゴルフ場の経営に大きな影響を及ぼします。すなわちプレーヤーは芝の状態が悪いと認識し、プレーに支障が出るハゲが気になります。
そのうち芝が無い雑草だらけになったぞ!という噂が漂う事になります。
このような病気がひとたび出てしまうと、管理は何をやっているのか!と言われてしまいがちですが、その原因は毎年の更新作業がストップしているとか、排水工事を行っていないとか、樹木が大きくなって日影が増え且つ風通しが悪い状態になってしまった・・・、等が問題になります。
病気を治療するのが薬剤という考え方には難があり、日頃の健康管理が何より求められます。

業界の悩み
ゴルフ業界は今、参加人口が減少し、ゴルフコース過多の状態になっています。
即ち、価格競争が激化し売上が下落しており、人員カットや予算カットが相次いでいることから、コース管理はかなりキツイ状況になっています。
これがラージパッチと何の関係が?と思われるのですが・・・・。
これが大いに関係あります。サッチが蓄積して病気になりやすいというのがヒントでありまして、コースインフラと呼ばれる排水不良個所の未施工で且つフェアウェイの更新作業や目砂が実施されていない、さらに風通しが悪くて芝が乾燥できないなどの健康的環境を維持できないことが病気を誘発してしまうからです。
追加するならば、キーパーの世代交代で従来の知識や技術の継承がスムーズにできていない、さらには薬剤散布の外注化により、キーパー自身が直接防除した経験がないなどの問題もあります。
このように、業界の悩みがいくつかありまして、それらがひいてはラージパッチを増え続けさせる原因ではないでしょうか。
猛威を振るうラージパッチ、一昔前なら見向きもされなかった病害が問題となっていることを知っていただきたいと思います。
posted by ミナミフジCC at 00:00| コース管理入門編