2017年03月05日

播き芝と張芝

南富士カントリークラブ 雑感

播き芝
 国内の多くのゴルフ場は、洋芝(寒地型)は播き芝によって、日本芝(暖地型)は張芝によって、芝生を育てています。

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 場所によっては反対の、暖地型で播き芝を行う事もありますし、寒地型で張芝を行う事もあります。
しかし、ここでは説明しやすいように、前者の前提で話を進めてみたいと思います。
 播き芝とは、洋芝の種を播種することで芝地を作りますが、洋芝の種は多種多様で、どの種を使うかによって種の大きさや重さが異なるため、作業はかなり異なってきます。
例えばペレニアルライグラスを例にとると、これが種としてサイズが大きく1g当たり550粒で、u当たり50g施用するのが標準的な仕様であります。
(ペレニアルライグラスは一年中枯れない品種であり、ゴルフ場以外でもサッカー場や野球場などで幅広く使用されている。)
 これに対してペンクロスベントならば、これが種としてはサイズが小さく1g当たり13,000粒で、u当たり8gになります。
(ペンクロスベントグラスはゴルフ場のグリーンに主に使用されている。)
このように種の違いによって施用量は異なりますが、共通点としては、@覆土の量(種の直径の2倍から5倍程度)、A土に種が接していること、B播種後の散水が必要、等になります。また洋芝の発芽適温は15℃〜25℃と言われており、春蒔きと秋蒔きが基本であります。
 芽出し後は散水を定期的に行い、根付きを確認できたならば刈込み始めます。
刈込みの刺激で、葉は「分げつ」を始め、葉の数は増え始めます。
 刈込高は種類と時期や成長のスピードによって異なりますが、目標としている密度(面積当たりの葉数)に向かって、刈高は徐々に下げていくものです。

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シーダー
 さてゴルフ場では、造成直後の床土に播種する場合は、種吹付工法や種シート貼り付け工法等を使う事が多いのですが、メンテナンスでは、コースの営業停止(クローズ)を避けるため、芝を残したままの作業(オーバーシードやインターシード)を行います。
このため、ゴルフ場では専用のシーダーという機械を使っています。

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 このシーダーとは、溝を切って種を植えるものや、穴を開けて種を植えるもの等がありますが、グリーンほどの緻密な芝部分は、スパイカーシーダーという機械を使用します。この機械は大型転圧ローラーに突起が多数ついており、この突起で多数の穴を開けて(スパイキングとも言われている)種を播くものです。

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 ゴルフ場は芝管理面積が大きく、効率重視(経済性重視)という観点でいつも検証しなければならないため、種の播き方(どの時期、どんな方法で、何をどのように)がゴルフ場ごとの立地で異なってきます。
即ち、気温や地質および立地等により、使用する芝の種類は変わりますし、種の播く時期や管理方法は異なります。
 また種の大きさによっても、覆土の材料や目土の厚さも変わってきます。
播種を実施するためには、事前にかなりの発芽率や成長具合の検証が必要になってきますが、新品種の開発や気象の変化、環境の移り変わりや機械の技術なども含め、各ゴルフ場で日々実験の繰り返しが大切と思います。

張芝
 日本芝と呼ばれているのは、主にノシバやコウライシバですが、これらの芝地(ターフ)は、張り芝によって育てることが多いです。また当ゴルフ場のある富士市は、富士山の裾野に位置し、この芝畑(張芝用)が多く育てられている為、切った芝(ソッド)を安く手に入れることができます。

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 静岡県では切った芝一枚、50cm×1mのロールサイズを2枚で1セット(1u)として販売しており、厚さは3cmから4cmが通常で、張り方はベタ張りが多いです。
 当ゴルフ場では、積雪さえなければ、どのシーズンでも張芝を実施できますので、冬場に排水工事やティグランド増設工事を行い、工事個所の芝はいったん切って保存し、工事終了後にこの芝を張り戻しています。
 生育適温は20℃〜25℃と高い為、梅雨前の張芝が最も成長しやすく、活着できるまでは2ヵ月ないし3ヵ月で綺麗に仕上がります。
 芝が活着後は芝が青々として成長が見られるので、刈込みに入ります。
また刈込みが起爆剤となって、匍匐茎(ストロン)や走出枝(ランナー)と呼ばれるものを盛んに出す習性があります。この匍匐茎らは貪欲な生命力を持っていて、地上も地下も這い出して拠点を作り、根をつけて茎を出すことを繰り返します。
この働きで密植し、綺麗な芝地(ターフ)が出来上がります。

目地(メジ)
 目地とは張芝の間の空間でありますが、目地を埋める材料は、砂と土と土壌改良剤というものをブレンドします。

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 目地の役割は芝がずれないこと、乾燥しないこと、芝面を平らになる事などですが、取扱いがしやすい砂ばかりで目地を埋めると、乾燥してしまい芝は枯れてしまいます。
 ゴルフ場は結構ベタ張り(無目地)をしますので、かなり予算がかかります。
ゴルフコースにとって芝は商売道具であり、綺麗が当然であるし、また家庭の庭やグランドのように平らな地形ではありません。
 特に、マウンドやバンカーなどの斜面は、ズレや水流れが発生しやすく、ベタ張り以外は考えられません。
張り芝の基本は、目地のラインが一直線にならぬように、交互に張ってゆくこと、また目地間隔を3〜4cm位空けるだけで、30%位少ない材料費で済みます。(目地張り)
 話は変わりますが、切った芝(ソッド)の厚さですが、土がたっぷりついて絶対枯れない物がおすすめです。
但し値段は(原価と輸送費がアップし)高額になります。
posted by ミナミフジCC at 15:47| コース管理入門編