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2018年11月25日

毎年繰り返される猛暑と豪雨

(平成30年夏の振り返り)
平成30年の夏を振り返ってみると、気象庁が8/10に異常気象分析検討会を開催して、7月豪雨や7月以降の異常高温について、異常気象であったと発表しました。この原因としてあげられるのが、偏西風が大きく蛇行したことと聞いています。
先ず豪雨については、西日本に停滞した梅雨前線に向けて多量の水蒸気が流れ続けたことですが、発達したオホーツク海高気圧は冷たい空気をもたらし、暖かい太平洋高気圧との間に上昇気流が発生し、集中豪雨がもたらされたということのようです。
また7月中旬以降の記録的な高温は、太平洋高気圧と上層のチベット高気圧がともに日本付近に張り出し続け、晴天が続いたことによるものです。
さて、7月以降の台風の異常な動きにも驚かされた方が多かったと思います。通常のコースであれば、日本に上陸した台風は日本海に抜けるか、北上して太平洋に抜けるかが多かったのですが、今年は九州の南で長期間停滞するものや、さらに一旦南下してから中国大陸に進行するなど前代未聞の逆走コースをたどる台風もありました。
この台風の進路は、太平洋高気圧とチベット高気圧が朝鮮半島から北日本に居座っていたため、北上できなかったようです。
いずれにせよこれらの異常気象の要因は、北半球熱帯付近の海面水温が平年より高く、積雲対流活動が北半球側で平年よりも活発だったことが挙げられます。
まとめると、地球温暖化に伴う気温の上昇と水蒸気量の増加に加え、北半球上空の偏西風が北に大きく蛇行したため、中緯度域の7月に気温が平年より1.5度高くなった。
これは日本だけではなく、欧州や米国の一部が猛暑と乾燥に見舞われたり、北極圏の一部が30℃を越す猛暑となったりするなど、異常気象が世界各地で起きています。
ということで、今後日本における異常気象が頻繁に起きることを予想しておく必要があるものと思われます。

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(異常気象とコース管理)
秋になって、各地のゴルフ場を訪れてみると、樹齢100年の木々があちらこちらに倒れており、根株ごと地上にさらされている光景を数多く見ました。
その数は100本から500本まで様々でありますが、台風の影響が大きかったものと感じ取れました。
また、グリーンの状態が悪いコースが多く、高温による病害とか排水不良による裸地化により雑草が増加していることが顕著に感じられます。
さらに秋になって、コウライシバやノシバの色あせも早くなっているようですが、これは高温から低温への変化が速かったため、その反応が促進されたものと見受けられます。
今後も同じような異常気象が続くとすれば、今までのコース管理スケジュールでは解決できない問題が増え続けるものと思われます。
先ず高温対策として、草種の転換が考えられますが、すぐに実現することは困難と思いますので、毎年少しずつ転換するなど中長期的な視点で作業を進めることが大切と思います。
また、薬剤散布による予防も治療も対処療法になりますので、効果は極めて限定的であり高温対策にはならないと思います。
高温と豪雨対策は共通して言えることは、排水と風通しが大切であるということであります。特に豪雨による、池の決壊や土砂崩れなどの災害は、ゴルフ事業を根本的に停止させることにつながります。
そこで中長期的な視点で、作業計画に排水不良個所のチェックや排水ルートの確保および調整池の設置を検討しなければなりません。
排水不良個所は、コースの中で一番窪地になっている個所であり、災害時には自然の池になってしまうような場所です。
そのような場所は、普段から湿地になっておりまた風通しも悪く、芝生も育ちにくく裸地が多いのが特徴です。
このような場所を特定して、数年かけて少しずつ改善していく必要があると感じます。
(改善=排水路の修復または新設)

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(重要な表面排水)
ゴルフコースにおいて実際に作業をしてみると、乾燥しやすい場所とジメジメした排水不良個所箇所があります。これはプレーヤーにもすぐ理解できるところでありますが、この差を埋めていくのが表面排水を考えることであります。
例えば、よく水の溜まるバンカーがありますが、これは表面排水がバンカーに集まってきて、バンカーの持つ排水能力を超えて、水が停滞するものと理解できます。

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雨が降った後も、排水不良個所には水溜まりが残っており、プレーに支障をきたす場所は決まっています。
こうした地形を少し変えることにより、排水は向上し、気持ち良いプレーの実現ができるようになります。
ティグランドやグリーンについても同様な事が当てはまりますが、水の溜まりやすい箇所は、窪みができ水路が確保されていないなどの問題を抱えています。
「全ての道は排水路に通じている」といっても過言ではありません。
筆者は、多くのコース設計と工事に関係してきたからこそ言えますが、コースの問題点は、コース管理の良し悪しよりは当初の設計と工事に問題があるものです。
しかし、多くのゴルフ場は肝心なその当初部分が欠落していることが多く、コース管理者は永遠に欠落を修正することにエネルギーを費やすことになります。
年代を経ると、地形が変り、植生も変り、まったく異なったゴルフ場になっていくものですが、良く管理されたそれは良い方に変わります。
また再三にわたって、樹木の管理について書いてきましたが、良いコースは間伐を行っており、木々の一本一本が美しくまたしっかりしています。
伐採と植栽を繰り返しながら、数十年の時を経て、良いコースの風情に仕上がっていくのですから、コース管理は永遠に続きます。
異常気象に対応する特効薬はありませんので、日々の努力の積み重ねが求められる作業と納得しています。

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posted by ミナミフジCC at 08:56| コース管理入門編