2018年05月07日

グリーンの排水

(表面排水とは)
ゴルフ場では表面排水と浸透排水を使っていますが、グリーンの排水となると多くのゴルフ場が表面排水を重視してきました。
日本のグリーンは、手前が低く奥が高い受けグリーンが多く、表面排水は奥から手前に流れるように設計されていることが多いものです。
また受けグリーンではなく、砲台グリーンと呼ばれているものも多数あります。
これは、降雨量が多く火山灰土の多い日本の土地柄がその砲台を好み、典型的な表面排水の設計を進めてきたのではないかと考えます。(排水ばかりではなく、風も通りやすく、光も当たりやすい。)
日本国内のゴルフ場では、フェアウェイやラフも同じように表面排水を考えて設計されておりますが、その多くはハローといわれる波の形を作って排水しています。
つまりコース内の表面を流れる水は、ある区間ごとに設置されたハローに導かれ、吞口(竪管)から排水路に入っていきます。

(暗渠排水とは)
暗渠排水と開渠排水というのが一対になっておりまして、土木工事では良く使われていますので、少し触れさせていただきます。
そもそも見かけないのが暗渠排水でありますが、地下深いパイプを通って水を流しているものです。
開渠とは河川のことを言っており、ゴルフ場の河川は大概ウォーターハザード(ラテラルウォーターハザード)になっているため、赤杭か黄杭が打たれています。
これらの仕組みを利用し、コース内は幾多の水路が流れ、時には池になったり、ダム湖になったりしてコース外に流れていきます。
池は修景池や沈砂池などに分かれており、それぞれ機能が異なりますが、プレーヤーにとってはすべてがハザードにすぎません。
さて、最近は有孔管(多孔管)流行りとなって、ゴルフ場内は暗渠排水にこのパイプを使って土中の水分を排除しています。
この技術の進歩が素晴らしく、コース内の水はけの悪いところは、このシステムを使って乾燥させています。

(USGAグリーンセクション)
筆者もおよそ40年前にこの設計図を見ましたが、サブグレーディングという文言に目がくぎ付けになったことを思い出します。
これはグリーン面の仕上がり高さに合わせて、地下面を削る(造る)ということであり、将来グリーンの管理に大切な基盤作業になります。
サブグレーディングからいくつかの排水構造を積み上げて、表面層に至るのが特徴ですが、手抜きすればいくらでもそれらしい構造と言い訳できることが問題点であります。
もちろんサブグレーディングに暗渠排水を実施している事が基本でありますが、バブル盛んな頃に造成されたグリーンはこの暗渠排水が手抜き工事だったことが多かったと聞いています
簡易なグリーンの地下構造では、排水工事なしで砂のみを使い、これに芝を張っているコースも見受けられますが、この場合はもともとの地盤(地質)の排水性能が問題となります。
そして、日本では排水の良い場所に作られたゴルフ場ならば、それは芝管理上うれしい事なのですが、多くの新設ゴルフ場は山岳部にあり且つ粘土質の地表を削って作ったコースでありますから、水溜まりの上に芝を張ったような環境になり、表面排水では管理不能な状態に陥っています。
話が多少それますが、日本の田んぼで、ある程度の排水があった方が良いとされていますが、このことはあまり知られていません。
USGAのグリーンセクションに話を戻しますが、この構造で優れていることは、排水が極めて良いため、根が地下深く伸長することだといわれています。
根の張り具合が健康のバロメータだと判断するならば、このグリーンの作り方は理想的なものになります。
そして、この構造を維持するためにはコアリング後の目砂について設計通りの砂を使っているかどうかが問題になります。
もともとの設計と異なる砂を追加すればするほど、分離した表層となっていくため、根の伸長が正常に働かないことになります。
管理技術は間違っていなくとも、もともとのグリーンの構造が間違っていれば、もう一度始めからやり直しになってしまいます。
グリーンの管理はほぼ永久的な長さで行われるものですから、基本的な部分が間違っているならば、どこかでやり直す勇気も必要でしょう。

(グリーン面の異なる仕上り)
浸透排水工事が行われるようになった今日、極めて自由度の高いグリーンが誕生してきました。
グリーンは円形ではなくいろいろな形に変わり、グリーン内に高低差が作られ、棚田のようなものに変形したり、ガードバンカーに向かって垂れ下がったりするものまで現れました。
ゴルフギアの進化とともに、グリーンの進化が起こりました。
確かに、ゴルフは戦略的に楽しいグリーンを獲得しましたが、コース管理者の頭を悩めることも多くなってきたのではないかと考えこむようになりました。

posted by ミナミフジCC at 10:18| コース管理入門編