2017年11月18日

ゴルフトーナメントの準備2

着色技術
秋11月に入ってからのゴルフトーナメント開催コースでは、テレビ放映のためプレーゾーンの着色が行われています。最近開催された男子プロゴルフ大会(御殿場の某ゴルフ場)の着色の綺麗さは、お見事でした。
さて、この着色について野芝や高麗芝などの日本芝(冬に休眠して枯れる)が基本的な対象になりますが、一年中青々とした洋芝であっても着色効果があります。
最近では、すべての芝に着色するという技術が採用されているのですが、この技術は芝の管理革命ともいわれております。
さて着色手順と効果について少し要領を述べてみたいと思います。

(日本芝の着色作業)
@ 着色時期(秋)は、芝が生き生きとした青さを保っている時期に一回目を行う。
A 秋は、追肥(お礼肥)と呼ばれてサブ的な施肥を実施することが過去は通常とされてきたが、最近ではむしろメインの施肥と考えることがある。この考え方に立つと、秋肥と着色はほぼ同時に行うことになる。最低12度c13×2
B 着色散布回数については、休眠する前の10月下旬から11月上旬が1回目とし、以降1カ月おきに散布し、複数回繰り返することで仕上がりがきれいになる。
C 散布は表面だけではなく、葉の裏面などにも色がつくように、いろんな角度から噴霧することで、綺麗な緑に見える。

(日本芝の着色効果)
@ 日本芝の休眠時期を遅らせ、芝生の発根が促進され、春の芽吹きが早くなる。
A 熱の吸収効率が高まり、地温の保温効果がある。
B 仮に雪が降っても(10〜20cm程度)、雪溶けは早まるほか、霜溶けも早くなり、寒害から守ることができる。

新たな技術として、近年はこの着色剤と鉄剤の使用が盛んにおこなわれるようになりました。鉄剤は芝を伸長させることなく、緑色を上げる効果があります。
特にトーナメント前がグリーンのスピードに影響することから、施肥よりも鉄剤で発色させることがあります。
また、秋の日本芝においても、鉄剤と尿素という組み合わせで散布することがありますが、これは緑色を維持する効果と、翌年の春の芽吹きを促進する狙いがあります。
この方法は、複数回実施することで、失敗を避け安心して作業を行うコツとなっています。
作業時のタイミングは、気温を参考にする事ですが、筆者は最低気温に気を付けて行います。日中の最高気温とか平均気温とは関係なく、芝は最低気温で休眠期のスイッチが入るからです。
話は飛躍しますが、鉄剤はマットの原因とされるサッチが分解されるとも言われております。
この効果については現在試験中のコースが多いと思われますが、まだまだ確立された技術とは言い難いと思います。
したがって、伝統的な更新作業を怠ることなく、新技術を取り入れることをお勧めしたいと思います。


バンカーの整備
ゴルフトーナメントコースはテレビの放映上、綺麗なコースの条件としてバンカーの美しさが大いに関係します。また参加選手からのバンカーの硬さ(柔らかさ)に関する意見(要望)もかなり寄せられます。
素人目には、綺麗な白い砂を補充すれば良いと思われがちなのですが、管理者の立場に立てば、排水が良く粒子が揃ったもの(感覚的には握ってもパラパラとほぐれ、固まらないもの)が良いと思います。
見た目に白い砂の中には、ガラス質が混じっているものが多く、見た目はきれいなのですが、粒子が不揃いのことが多く、また硬く締ってしまうものも多いようです。
また、バンカーの砂は高価な為、いわば札束を敷き詰めているのと同じ感覚であり、補充しても風により飛散してしまうことやバンカーショットにより拡散してしまい、バンカーの外にくまなく散布され、バンカーの砂はなくなってしまいます。
さらに、雨が降るたびごとにバンカー内は池もどきとなりやすく、泥混じりの砂になって色褪せて硬く締ってしまいます。
このような排水不良のバンカーは数多く、その原因はバンカーの底にある暗渠排水の目詰まりによる排水不良です。
つまりは、バンカーの整備とはこの暗渠排水の修繕が重要であり、この修繕無くしてバンカーは成り立ちません。
フラット(たいら)な地形ならばプレー上は喜ばれますが、逆に欠点としてバンカーが排水不良に陥る可能性が多く、人気コースのバンカーが雨に弱いという可能性は高くなります。
例として、河川敷ゴルフ場は概ねフラットな地形が多く、台風のあとはバンカーの水が引くことはなく、結局1ケ月もプレーができないということが起きます。
あと
話は変わりますが、バンカーの縁取りは極めて重要な要素であり、エッジカッターで小まめな整備が求められます。フライングモアならば、水平方向の草刈りは十分に実施できますが、垂直方向の草刈りはエッジカッターなしには実施できません。
垂直的な刈込みは、バンカーというスタイルを維持するために必要ですが、日本芝を管理する上では、ランナー(匍匐茎))切りなどの作業として言い換えられて、このトリミングこそトーナメントコースの重要な作業となっています。
全部のバンカーのトリミングをすると、大量のランナー出ますが、この大量のランナーをヘビーラフとかの裸地部分に敷き詰めて覆土すれば、やがてしっかりした芝地となりますので決して無駄になりません。
最近はバンカーのスタイルが変化し、斜面に砂を張り付けたようなバンカーが多くなりました。このため、斜面の砂を均一にならす機械はまだ登場していませんので、どうしても人手によるならし作業が発生します。
また、固まったバンカー砂は機械だけではほぐれないため、人手によりスコップや鋤簾などを使ってほぐす必要があります。
このように、トーナメントコースのバンカー作業には、かなりの手数がかかるものです。
バンカー均しはプレーヤーのマナーといわれていますが、最近ではマナーを知らないプレーヤーも多いことから、管理者の悩みの種となっています。
posted by ミナミフジCC at 15:18| コース管理入門編