2017年09月21日

PGの夏越しの作業を考える

先ほど、本グリーンと異なるPGの手厚い作業について触れましたが、さらに一歩踏み込んだ作業について触れます。
夏場であっても軽い肥料の散布は必要で、傷ついた芝の回復を向上するために欠かせない作業です。
この時注意が必要なのは、肥料の塩分濃度になりますが、窒素肥料は非常に低く施用することになります。
またこの濃度を調整するため、肥料散布後は散水するという方法をとることがあります。
さらに、施肥とほぼ同時に成長抑制剤を施用して、芝の色や密度を高め、芝の表面の質を高めることができますが、これらの技術はごく最近開発されたばかりで、ここ10年くらいの間に大きく変化したものであります。(まだまだ管理者仲間でも疑問の声が上がっていますが)
さて、この夏にムクタインによる穴あけ作業が一般的になりましたが、この穴あけ作業により空気の交換が向上し、ルートゾーンの酸素量が増え、根の動きが活発になります。
夏場の穴あけ作業は、良いことばかりではなく、乾燥害等かなりのリスクを負うものですので、温度や湿度や作業後の天候などを考慮しなければなりません。
さて、私の考える最も大切なグリーンの夏越しは、刈り高を上げることです。
しかし、プレーヤーは速いグリーンを好みますので相いれない部分になっています。
それでもグリーンの夏越しができなければ、営業は成立しないということになりますので、どんな方法にせよ応急処置を施すに越したことはありません。
また意外と思われるかもしれませんが、刈込機械の刃の切れ味が重要な意味を持っています。例えば切れ味の悪い刃は葉をちぎってしまうため、そこから病原菌が入りやすく、一方切れ味の良い刃はきれいな断面となり、病気にかかりにくいといわれています。
病気予防と刈込機械の刃の研磨が関連しているとは、なかなか理解に苦しみますが、管理者はこれをポイントとしています。
ところで最近は、洋芝が日焼けに弱いということが解ってきました、つまり人間と同じようにUVカット剤を散布することが夏場有効な方法ということになります。
ひと昔前では、考えにくい方法論ですが、今年はこのUVカット剤を散布してみましたが、
結果は良好であり、効果があることを検証できました。
posted by ミナミフジCC at 08:27| コース管理入門編

パッティング・グリーンのストレスと対処

パッティング・グリーンのストレスと対処
たくさんのプレーヤーがグリーンに乗る


本グリーン(実際に当日プレーするグリーンのこと)では、プレーヤー4人のプレー時間のみ(約5分)不連続な踏圧を受けることで済みます。しかしパッティング・グリーン(以降PGという:練習用のグリーン)においては、ほぼ毎日2時間くらい、100人〜200人ものプレーヤーの熱心な練習(踏圧)に耐えなければならないのです。
さてPGの身になってみれば、そのストレスは大変なことでありますし、プレーヤーが歩きまわるだけでも、擦り切れてしまいます。
したがって管理者の頭の中は、このPGをどのように守っていくのか?で「いっぱい」であります。
競技会では、PGと本グリーンの転がりは同じにしてくださいという要望が寄せられるのでありますが、その意見を実現するためにはさまざまな工夫が必要となるのです。
使用頻度の高いPGには、本グリーンより肥料を多く施す、更新作業の回数を増やす、目砂は多く、排水をより良好に、散水をよりまんべんなく、風通しをより良くし、さらに日当たりを良くするなどがあります。
またPGがよく管理されていると、「よくやっているね」と褒められることもあります。
通常はどのゴルフ場であっても、PGは固くしまっており、そのスピードは速いとされていますが、原因は表題の通り多くのプレーヤーの踏圧によるものであります。
話は変わりますが、酪農家にとっては牛の放牧が草地を管理するために欠かせないことであります。もちろんこれが山羊や羊でも事情は同じでありますが、動物によって食べる草丈は変わりますし、その蹄のかかる重さも異なります。
つまり、ゴルフ場の原型は放牧地からきているわけですし、刈込作業や転圧作業や施肥作業すべては動物たちの生活=コース管理の基礎となっているのです。
草原は日の当たる場所にあり、ここで動物たちは食事をして(刈込)次は休憩を取りますが、ここは日陰の涼しい場所、すなわち林の中でとります。
このようにゴルフ場と牧場は同じような環境にありますので、牧場から芝の管理を学ぶことはたくさんあります。
放牧地での牛の歩き方はボス牛に従って一列に移動し、ボス牛が選んだ適当な場所を選択し集団で草食します。そこは擦り切れが多くなり、薄くなってついに禿てしまいます。
そこでまたボス牛は場所を変えます。
さてPGを守るためには、プレーヤーの歩くルートを観察し、芝の擦り切れ具合で歩くルートを変えなければいけないのです。
それが、ローピング(ロープで歩くルートを規制すること)という方法であり、かなり頻繁にローテーションします。
さらに練習用のカップの数も問題です、最近はカップを切らないPGも多くなっていますが、プレーヤーには不評であります。
したがって、練習用のカップ切りは頻繁に変えなければいけないし、変えればまた修復に時間がかかるということになります。
このホールの切り替えと修復作業がグリーンを守る大切な作業となります。
posted by ミナミフジCC at 08:25| コース管理入門編