2017年11月18日

ゴルフトーナメントの準備2

着色技術
秋11月に入ってからのゴルフトーナメント開催コースでは、テレビ放映のためプレーゾーンの着色が行われています。最近開催された男子プロゴルフ大会(御殿場の某ゴルフ場)の着色の綺麗さは、お見事でした。
さて、この着色について野芝や高麗芝などの日本芝(冬に休眠して枯れる)が基本的な対象になりますが、一年中青々とした洋芝であっても着色効果があります。
最近では、すべての芝に着色するという技術が採用されているのですが、この技術は芝の管理革命ともいわれております。
さて着色手順と効果について少し要領を述べてみたいと思います。

(日本芝の着色作業)
@ 着色時期(秋)は、芝が生き生きとした青さを保っている時期に一回目を行う。
A 秋は、追肥(お礼肥)と呼ばれてサブ的な施肥を実施することが過去は通常とされてきたが、最近ではむしろメインの施肥と考えることがある。この考え方に立つと、秋肥と着色はほぼ同時に行うことになる。最低12度c13×2
B 着色散布回数については、休眠する前の10月下旬から11月上旬が1回目とし、以降1カ月おきに散布し、複数回繰り返することで仕上がりがきれいになる。
C 散布は表面だけではなく、葉の裏面などにも色がつくように、いろんな角度から噴霧することで、綺麗な緑に見える。

(日本芝の着色効果)
@ 日本芝の休眠時期を遅らせ、芝生の発根が促進され、春の芽吹きが早くなる。
A 熱の吸収効率が高まり、地温の保温効果がある。
B 仮に雪が降っても(10〜20cm程度)、雪溶けは早まるほか、霜溶けも早くなり、寒害から守ることができる。

新たな技術として、近年はこの着色剤と鉄剤の使用が盛んにおこなわれるようになりました。鉄剤は芝を伸長させることなく、緑色を上げる効果があります。
特にトーナメント前がグリーンのスピードに影響することから、施肥よりも鉄剤で発色させることがあります。
また、秋の日本芝においても、鉄剤と尿素という組み合わせで散布することがありますが、これは緑色を維持する効果と、翌年の春の芽吹きを促進する狙いがあります。
この方法は、複数回実施することで、失敗を避け安心して作業を行うコツとなっています。
作業時のタイミングは、気温を参考にする事ですが、筆者は最低気温に気を付けて行います。日中の最高気温とか平均気温とは関係なく、芝は最低気温で休眠期のスイッチが入るからです。
話は飛躍しますが、鉄剤はマットの原因とされるサッチが分解されるとも言われております。
この効果については現在試験中のコースが多いと思われますが、まだまだ確立された技術とは言い難いと思います。
したがって、伝統的な更新作業を怠ることなく、新技術を取り入れることをお勧めしたいと思います。


バンカーの整備
ゴルフトーナメントコースはテレビの放映上、綺麗なコースの条件としてバンカーの美しさが大いに関係します。また参加選手からのバンカーの硬さ(柔らかさ)に関する意見(要望)もかなり寄せられます。
素人目には、綺麗な白い砂を補充すれば良いと思われがちなのですが、管理者の立場に立てば、排水が良く粒子が揃ったもの(感覚的には握ってもパラパラとほぐれ、固まらないもの)が良いと思います。
見た目に白い砂の中には、ガラス質が混じっているものが多く、見た目はきれいなのですが、粒子が不揃いのことが多く、また硬く締ってしまうものも多いようです。
また、バンカーの砂は高価な為、いわば札束を敷き詰めているのと同じ感覚であり、補充しても風により飛散してしまうことやバンカーショットにより拡散してしまい、バンカーの外にくまなく散布され、バンカーの砂はなくなってしまいます。
さらに、雨が降るたびごとにバンカー内は池もどきとなりやすく、泥混じりの砂になって色褪せて硬く締ってしまいます。
このような排水不良のバンカーは数多く、その原因はバンカーの底にある暗渠排水の目詰まりによる排水不良です。
つまりは、バンカーの整備とはこの暗渠排水の修繕が重要であり、この修繕無くしてバンカーは成り立ちません。
フラット(たいら)な地形ならばプレー上は喜ばれますが、逆に欠点としてバンカーが排水不良に陥る可能性が多く、人気コースのバンカーが雨に弱いという可能性は高くなります。
例として、河川敷ゴルフ場は概ねフラットな地形が多く、台風のあとはバンカーの水が引くことはなく、結局1ケ月もプレーができないということが起きます。
あと
話は変わりますが、バンカーの縁取りは極めて重要な要素であり、エッジカッターで小まめな整備が求められます。フライングモアならば、水平方向の草刈りは十分に実施できますが、垂直方向の草刈りはエッジカッターなしには実施できません。
垂直的な刈込みは、バンカーというスタイルを維持するために必要ですが、日本芝を管理する上では、ランナー(匍匐茎))切りなどの作業として言い換えられて、このトリミングこそトーナメントコースの重要な作業となっています。
全部のバンカーのトリミングをすると、大量のランナー出ますが、この大量のランナーをヘビーラフとかの裸地部分に敷き詰めて覆土すれば、やがてしっかりした芝地となりますので決して無駄になりません。
最近はバンカーのスタイルが変化し、斜面に砂を張り付けたようなバンカーが多くなりました。このため、斜面の砂を均一にならす機械はまだ登場していませんので、どうしても人手によるならし作業が発生します。
また、固まったバンカー砂は機械だけではほぐれないため、人手によりスコップや鋤簾などを使ってほぐす必要があります。
このように、トーナメントコースのバンカー作業には、かなりの手数がかかるものです。
バンカー均しはプレーヤーのマナーといわれていますが、最近ではマナーを知らないプレーヤーも多いことから、管理者の悩みの種となっています。
posted by ミナミフジCC at 15:18| コース管理入門編

2017年10月28日

ゴルフトーナメントの準備

トーナメントグリーン
ゴルフトーナメント開催コースにおいて、コースセッティングの全権を委任されたグリーンキーパーは、トーナメント当日まで気苦労が絶えません。中でも一番はグリーンの仕上がり(グリーンの速さと硬さ)がトーナメントの成否を決めると言っても過言ではありません。
トーナメントディレクターからの無理難題と思われる様な、厳しいコースセッティング要求に、日夜苦労の連続です。トーナメントを経験したグリーンキーパーは、異口同音にこの話にうなずきます。
特に男子プロのツアーは、その要求される水準は高く、スティンプメーターで12フィートというスピード、硬度計では11s/㎠という硬さ・・・・が目標とされています。
30年前は、このような計測器が発明されていなかったため、ただ早くて硬いグリーンを造れと言われて、グリーンキーパーも感覚の世界でやるしかなかったのです。
しかし現代は、前述のスティンプメーターや硬度計等の計測器が発明され、数値目標もはっきりしています。
一方では、プレーヤーは相変わらず速さも硬さも感覚だよりの世界でありますから、それを自分なりの感性でとらえるしかない状態と思います。
早くて硬いグリーンは、しばしば全米オープンとか全英オープンなどのトーナメントをテレビにて観戦する機会がありますが、グリーンは緑色ではなく、黄色や茶色になっていることもあります。これはグリーン上でボールの転がりを速くさせる為、極端に刈高を短くしたり、転圧して固く引き締まったグリーンにしたりすることで、芝が受けるストレスが原因です。
筆者もトーナメント開催コースのグリーンキーパーの立場に立っていたことがありますから、テレビを見るとついつい大会終了後に相当なダメージを受けたグリーンをどのように回復させるのかが心配になります。
さて、トーナメントの準備前には健康なグリーンを造っていなければなりません。
何故なら、トーナメントは一時的な厳しい環境を作り出しているに過ぎず、芝草は病と闘っているようなものなのです。
例えるならば、毛を刈り取られた羊たちのようなものですから、あちこちにバリカンによる出血もあれば、寒さに弱い裸状態になっていることを感じていただければよいと思います。
健康な状態とは、更新作業が行われ若い芽が多く、根が10cm以上深く地中に入り、枯れた根や茎や葉で構成されるマット層が薄く、芝の葉がピンと立っている状態を言います。
その健康的な芝の状態を維持する為には、生育環境を良好にする普段のメンテナンスがいかに重要であるかを感じております。
そして、開催日の1年前からグリーンのセッティングを始めます。
仮に大会開催日のグリーンの刈り高が3oとしますと、1年前からは3.5mm位で刈り込みを行い徐々に慣らして行きます。このような低刈りをするためには、グリーンの表面に1mmでも凹凸があると、グリーンカットの際に「ちぎり」「段差」が生じてしまいます。また、きついアンジュレーションでも段差が生じる事があります。この事からグリーンの表面を薄く作り上げ、地盤を固くしなければ、いくら刈り高を下げてもきれいに仕上がらないのです。この刈り高0.5mm差の為にグリーンキーパーやスッタフは苦労する訳です。
そしてトーナメントを開催するコースであっても1年も前からお客様を規制する訳には行きません。むしろ開催直前まで通常営業をしなければならないのです。通常営業をしながら先ほどのコンマ数ミリの世界を表現しなければならないのです。ここが一番の難しく悩ましい所です。コースクローズさえできたらもっと良い仕上がりに持って行けるのにと多くのグリーンキーパーは思っています。時には経営サイドと意見を戦わせ、結果的に悔しい思いをする事があります。それでもプロのプレーヤーが存分にプレーに専念できる様にするのがグリーンキーパーに課せられた使命ではないでしょうか。

ティグランドとフェアウェイのトーナメント仕様
ティグランドの整備は、大会開催のやはり1年前に入ります。使用するティグランドは、各ホールにある3面から5面のどれかになります。これが決まったら、開催時期がどの季節になるかによって、草種の変更や仕様を検討します。青々としたきれいなティグランドはカメラ映りが良いですから。
夏真っ盛りならば、関東から関西のゴルフコースはコウライ芝のティグランドとなりますが、春早い3月4月ならば洋芝のティグランドに変更し、その青さを表現してみたいものです。
ティグランドは毎日使われるものですが、その利用頻度によって傷みは変わってきます。
したがって、できるものならば大会直前は使用禁止として、痛みを軽減しなければなりません。
さてティグランド仕様留意点は、前昇勾配がついていることや面に凹凸がないこと、及び裸地がないことになります。(200uあるいは300uの面積確保も必要)
前昇勾配とは、ティグランドの表面排水確保のため、前が高く後ろが低い1%から2%の傾斜をつけていることを言います。
フラットならば良いと思われがちなのですが、これは水溜まりを誘発し、凹凸や裸地になりやすく維持できません。
そういえば、高速道路や国道も表面排水勾配(傾斜)が必ずつけてあります。なければ水溜まりを泳いで車を走らせることになります。
この正確な勾配を確保することが整備の肝となりますが、未整備のコースは国内にたくさんあり、水溜まりによる病気や苔、あるいは藻も発生しています。こうなるとやがては芝がなくなり裸地になってしまいます。ティグランドに限らずコース全体で、表面排水をどのようにコースデザインに組み合わせて行くかも設計者の腕の見せ所ではないでしょうか。
次にフェアウェイでは出来る限りディボットのない状態にしたいものです。また、ボールが芝に沈むような所がない様にするのもトーナメント仕様としては重要なポイントです。
コースの難易度を決定する為に、プロゴルフ協会からフェアウェイの幅等細かい指示があります。加えてラフの芝刈高にも注文が来ます。一般的に通常より長めの(40mm〜60mm)オーダーが来ます。長くするのは簡単ですが、トーナメント終了後にいきなり元の刈高に戻す事はできません。一ケ月程度で徐々に戻して行きます。この間は一般プレーヤーにとっては厳しいコースとなってしまいます。
トーナメントを開催するに当たっては、コース管理のグリーンキーパーや管理スタッフは本当に苦労の連続です。天候に振り回されながらも当日に最高のコンディションを提供しようと努力します。トーナメント終了後は実に良い経験と勉強になった事を一同で感じるものです、そう言う意味ではトーナメントを開催した事は将来的にも大きな自信に繋がると思います。
posted by ミナミフジCC at 09:52| コース管理入門編

2017年10月18日

ゴルフ場の花を考える

春は花盛り
樹木に咲く花

ゴルフ場の芝が青くなると同時に、様々な花が咲き始めます。
春の花としては、ゴルフコースといえばウメとサクラが代表的なものなのです。
サクラは日本の代表的な花ですので、サクラの木の下でゴルフプレーする事はプレーヤーの憧れであるといえます。
さて毎年4月第2週になると、世界のNO1を決めるマスターズという大会が、アメリカのジョージア州オーガスタナショナルで開催されます。
マスターズの大会はハナミズキの花がその大会の雰囲気を盛り上げていますが、この大会を観戦した私の印象は、この花なしには大会が成り立たない・・・とういうことです。
さて、このハナミズキの歴史は、1912年東京市長の尾崎行雄がアメリカワシントンD.C.へさくら(ソメイヨシノ)を送った際、1915年にその返礼として贈られた樹木であります。
この史実を知ると、アメリカで大切に育てられて樹木だと理解できます。
このハナミズキとよく似た樹木にヤマボウシがありますが、こちらは純粋な日本産のもので、花の形が少し異なりまた白い花です。こちらも当ゴルフコースのあちらこちらに植えられています。
ところで多くのプレーヤーからは、ゴルフコース内に四季を通じて「花を咲かせてー」と期待されていると感じていますが、樹木は花が咲いて実がなるという工程が欠かせませんので、花が咲く時期は春が主体になっています。
ウメとサクラが終わると、サツキやツツジ、コブシやモクレンが咲きウキウキする春を実感します。ツツジといえば、当ゴルフコースで愛されているミツバツツジは、花言葉が節制や平和となっており、つつましく且つ平和な象徴として当クラブのイメージに採用されています。
また青紫の鮮やかなこの花は、穏やかな一日を迎えるにふさわしい雰囲気を持っており、安心感をもたらしてくれますし、地元大渕町を代表する花に指定されています。
さて季節が春から初夏に変わるころ、花は薄紫色のアジサイにとって代わります。
このアジサイは、日本が原産といわれており、ヨーロッパで品種改良されたものは西洋アジサイと呼ばれています。
またアジサイは落葉低木でありますが、主に庭のベースに植えられており密集度が高いため、その雰囲気は賑やかなものになります。
花の色はアントシアニンが関係しており、酸性ならば青でアルカリ性ならば赤となるのが基本でありますが、自然界は様々のことが影響しあって、一株でも様々な彩の花を咲かせます。
アジサイは日本の文化と関連が深いといわれており、万葉集にも記載が残っていますし、日本各地でアジサイ祭りがあるのも国内で大切にされてきた歴史があると感じます。
初夏から夏に移り変わると、サルスベリ(百日紅)がピンク色に咲き乱れます。
サルスベリは幹の更新時にコルク状の物質を剥ぎ落とすので、その風合いから滑りやすく、猿も滑ってしまうといわれていますが、実際猿はするすると登ってしまうようです。
夏はサルスベリのピンク色の花はかなり目立ちますが、どのゴルフコースでもグリーンの後方に植えられていることが多く、緑のさわやかな景色の中にあるピンクの花は、目標方向を示すことになり、ゴルフコースには欠かせない樹木であります。

夏から秋の花

夏から秋の樹木の花は少なくなります。
その中で萩の花は万葉集でも記載があり、深く日本の歴史にかかわっています。
ところで「萩の月」 は有名な仙台のお菓子でありますが、お土産に最高の人気があります。
お菓子に「萩」を使うとは高貴な香りがし、とても上品な名前であります。
さて萩の花はおおむね紫色が代表的な色ですが、特徴はしなだれた枝に咲いています。
萩は荒れ地に育ち、裸地における初期の生育植物と言えますが、ゴルフコースにおいては大切な存在であります。
つまり管理が行き届かない土地にこの萩は可憐に咲き乱れています・・・・・言い換えればOBゾーン近くに多く咲いています。
さて、樹木はこのくらいで終えて草花の話に移ります。

草花

ゴルフコースの草花といえば主には花壇に使用され、季節に応じて植え替えられるものです。この代表格が黄色またはオレンジ色のマリーゴールドと赤いサルビアの花です。
マリーゴールドはキク科の花で、園芸品種として主にメキシコ原産のものが多いです。
メキシコといえば太陽と夏のイメージが強いですが、この花は咲くと1〜2週間で枯れながら次々と新しい花が咲き、結局4月から10月まで咲き続けるという元気な花です。
また、この花は根に土壌線虫の防除に効果があるので、コンパニオンプランツ(共生植物)として農業作物の間口にも植えられています。
花が病気を予防することなど、いつから解ったことなのでしょうか、先人の研究に敬意を払いたいと思います。
さて10月以降の花壇はパンジーが主役になります。
このパンジーは、スミレとヴィオラを交配したのが始まりとされていますが、花径が5cm以上をパンジーと呼び、4cm以下をヴィオラと称していることもあるようなので、見分けがつきません。
現在は、黄金・オレンジ・赤・紫・青・白・黒などの品種にさらに混じったものもあり、多彩の色彩を持つ花たちと言えます。
パンジーは秋蒔きの一年草が基本でありますが、開花期は10月〜5月のロングランで、雪の下でも枯れないといわれています。
パンジーと言えばアンダープランツとして使われており、低木や灌木の下に植えると、生物マルチのような働きをして、雑草抑制の効果が上がるといわれております。
このように草花は花を楽しむばかりでなく、自然界の中で重要な役割を果たしており、毒にも薬にもなるという意味でも大切なものであります。
posted by ミナミフジCC at 08:38| コース管理入門編

2017年09月21日

PGの夏越しの作業を考える

先ほど、本グリーンと異なるPGの手厚い作業について触れましたが、さらに一歩踏み込んだ作業について触れます。
夏場であっても軽い肥料の散布は必要で、傷ついた芝の回復を向上するために欠かせない作業です。
この時注意が必要なのは、肥料の塩分濃度になりますが、窒素肥料は非常に低く施用することになります。
またこの濃度を調整するため、肥料散布後は散水するという方法をとることがあります。
さらに、施肥とほぼ同時に成長抑制剤を施用して、芝の色や密度を高め、芝の表面の質を高めることができますが、これらの技術はごく最近開発されたばかりで、ここ10年くらいの間に大きく変化したものであります。(まだまだ管理者仲間でも疑問の声が上がっていますが)
さて、この夏にムクタインによる穴あけ作業が一般的になりましたが、この穴あけ作業により空気の交換が向上し、ルートゾーンの酸素量が増え、根の動きが活発になります。
夏場の穴あけ作業は、良いことばかりではなく、乾燥害等かなりのリスクを負うものですので、温度や湿度や作業後の天候などを考慮しなければなりません。
さて、私の考える最も大切なグリーンの夏越しは、刈り高を上げることです。
しかし、プレーヤーは速いグリーンを好みますので相いれない部分になっています。
それでもグリーンの夏越しができなければ、営業は成立しないということになりますので、どんな方法にせよ応急処置を施すに越したことはありません。
また意外と思われるかもしれませんが、刈込機械の刃の切れ味が重要な意味を持っています。例えば切れ味の悪い刃は葉をちぎってしまうため、そこから病原菌が入りやすく、一方切れ味の良い刃はきれいな断面となり、病気にかかりにくいといわれています。
病気予防と刈込機械の刃の研磨が関連しているとは、なかなか理解に苦しみますが、管理者はこれをポイントとしています。
ところで最近は、洋芝が日焼けに弱いということが解ってきました、つまり人間と同じようにUVカット剤を散布することが夏場有効な方法ということになります。
ひと昔前では、考えにくい方法論ですが、今年はこのUVカット剤を散布してみましたが、
結果は良好であり、効果があることを検証できました。
posted by ミナミフジCC at 08:27| コース管理入門編

パッティング・グリーンのストレスと対処

パッティング・グリーンのストレスと対処
たくさんのプレーヤーがグリーンに乗る


本グリーン(実際に当日プレーするグリーンのこと)では、プレーヤー4人のプレー時間のみ(約5分)不連続な踏圧を受けることで済みます。しかしパッティング・グリーン(以降PGという:練習用のグリーン)においては、ほぼ毎日2時間くらい、100人〜200人ものプレーヤーの熱心な練習(踏圧)に耐えなければならないのです。
さてPGの身になってみれば、そのストレスは大変なことでありますし、プレーヤーが歩きまわるだけでも、擦り切れてしまいます。
したがって管理者の頭の中は、このPGをどのように守っていくのか?で「いっぱい」であります。
競技会では、PGと本グリーンの転がりは同じにしてくださいという要望が寄せられるのでありますが、その意見を実現するためにはさまざまな工夫が必要となるのです。
使用頻度の高いPGには、本グリーンより肥料を多く施す、更新作業の回数を増やす、目砂は多く、排水をより良好に、散水をよりまんべんなく、風通しをより良くし、さらに日当たりを良くするなどがあります。
またPGがよく管理されていると、「よくやっているね」と褒められることもあります。
通常はどのゴルフ場であっても、PGは固くしまっており、そのスピードは速いとされていますが、原因は表題の通り多くのプレーヤーの踏圧によるものであります。
話は変わりますが、酪農家にとっては牛の放牧が草地を管理するために欠かせないことであります。もちろんこれが山羊や羊でも事情は同じでありますが、動物によって食べる草丈は変わりますし、その蹄のかかる重さも異なります。
つまり、ゴルフ場の原型は放牧地からきているわけですし、刈込作業や転圧作業や施肥作業すべては動物たちの生活=コース管理の基礎となっているのです。
草原は日の当たる場所にあり、ここで動物たちは食事をして(刈込)次は休憩を取りますが、ここは日陰の涼しい場所、すなわち林の中でとります。
このようにゴルフ場と牧場は同じような環境にありますので、牧場から芝の管理を学ぶことはたくさんあります。
放牧地での牛の歩き方はボス牛に従って一列に移動し、ボス牛が選んだ適当な場所を選択し集団で草食します。そこは擦り切れが多くなり、薄くなってついに禿てしまいます。
そこでまたボス牛は場所を変えます。
さてPGを守るためには、プレーヤーの歩くルートを観察し、芝の擦り切れ具合で歩くルートを変えなければいけないのです。
それが、ローピング(ロープで歩くルートを規制すること)という方法であり、かなり頻繁にローテーションします。
さらに練習用のカップの数も問題です、最近はカップを切らないPGも多くなっていますが、プレーヤーには不評であります。
したがって、練習用のカップ切りは頻繁に変えなければいけないし、変えればまた修復に時間がかかるということになります。
このホールの切り替えと修復作業がグリーンを守る大切な作業となります。
posted by ミナミフジCC at 08:25| コース管理入門編

2017年09月03日

切り株の粉砕

機械が借りられたので、樹木を伐採したあと、数年放置して腐食が始まった切り株をスタンプグラインダーで一気に粉砕しています。

切り株.JPG

切り株2.JPG


posted by ミナミフジCC at 10:45| 抜根など

2017年08月26日

ゴルフ場グリーン管理で難しい夏越し 今年の特徴は長雨と日照時間の少ないこと

ゴルフ場グリーン管理で難しい夏越し
今年の特徴は長雨と日照時間の少ないこと

私が大好きな果物「梨」が今年市場に出回っていませんが、どうなっているのでしょうか。
いつも購入する千葉県の「ナシ園」に問い合わせますと、今年は雨の日が多く、日照時間が少ないため実が大きくならないうえ、完熟していないそうです。
つまり「ナシの実」の大きさと甘さが達成できず収穫が遅れているとのお話をお聞きしました。
また夏野菜も同様に、かなり長雨で出荷が厳しいと聞いています
さてゴルフ場の芝管理においては、どのような影響が出ているのでしょうか。
本音を言わせていただくと、今年はとてもつらい状況にあります。
作物の出来、不出来と日照時間の関係は誰しも理解できることと思われますが、これに長雨が加わることで過湿状態になり、病気に感染しやすくなります。
ところで、今年の夏は7月にスタートしましたが、その時期全国的に空梅雨が続き、乾燥被害を受けてグリーンに使用しているベントグラス(寒地型)は悲鳴を上げました。
したがってグリーン管理の問題点は、朝夕の散水が生命線であり、ほぼ1ケ月この作業に追われました。しかし散水をすると病気になり、しなければ枯死するという綱渡り状態でした。
グリーンは1面単位で状態が異なりますので、散水量はどこも同じというわけではなく、グリーンの顔(乾燥の具合)を見ながら調整することになります。
中には日焼けに苦しむグリーンもあることから、UVカット剤を散布したところもあります。
7月この状態では、例年行ってきた更新作業(排水はよくなるが、乾燥に弱い)をストップすべきかどうかを迷っていました。
しかし、ストップすれば長雨になったら大変ですので、軽い更新作業を施すことにしました。
これがムクタイン6mmというものですが、この決死の判断が功を奏し、現在の8月を生き残っています。

夏の病気と治療

いったん病気にかかってしまうと治療剤を使用することしかできません。この治療剤は金額が高いものですが、さらに結果的に治るかどうかも怪しいものです。
したがって、管理者ができることはあくまで予防であり、日ごろから芝の健康管理を行うことが重要です。
ゴルフ場は芝生をはがして、地盤を「耕うん」するのが農業的にはよいことでありますが、これができないため、らしきものをすることになります。
らしきもので昔はホーキングという作業がありましたが、農場で使うフォーク(牧草を扱う道具)を芝草に突き立て、穴らしきものをあけるというものです。
その後は、スライシング、バーチカル、コアリング、スパイキングと様々な技術が開発されました。
私の友人には、ミミズを飼いならしてこれをコースに放ち、コース中穴だらけにするという勇猛果敢な管理者もいましたが・・・。
いずれにせよ、こんないい状態のグリーンに何故穴をあけるのか、なぜ状態がいい時に砂を撒いているのか、という苦情を聞きます。
ごもっともなご意見ですが、この状態をキープするには必須作業なのでご理解いただきたいと申し上げるしかありません。
さて、先ほどのムクタイン6mmというのは、直径6mmの穴をあけるという意味ですが、この作業によって長雨時の排水は確保され、病気予防できたということになります。
芝管理は、大体地表から10〜30mmですべてのことが起きているといわれています。
ここに微生物がたくさん生存し、常に有機物を分解して植物に食べモノを供給していますし、病害虫も同居しています。
そして、水分も維持されますし、好気性の菌は適度の空気が必要になっています。
これらの、環境を良好に保つのが病気にかからないことにつながります。

夏を乗り越えたなら

湿度70%以上で気温30℃は寒地型芝草の生育限界値となっていますので、これを超える気候が続くようであれば、グリーンの品種選択を変えなければなりません。
日本の気候環境は熱帯化傾向にあり、最近の気候は予想を超える変動をたどっています。
そもそも梅雨前線の位置がひと昔前に教科書で学んだ位置と異なってきましたし、夏の気圧配置とか冬の気圧配置もずれてきました・・と天気予報士が言い出しました。
秋は本当に秋空を見ることができるのか(秋雨前線が続くことはないか)を疑う声も聞こえますが、太陽を浴びることは大切です。
表題となったグリーン管理で難しい夏越しが終わったならば、いよいよメンテナンスは最高潮に達します。
最高のコンディションを期待される競技が目白押しの季節に入ります。
早く滑らかな転がり、葉が立った状態で密度のあるグリーンを求められます。
この状態を作り上げるために、毎年苦労しているわけですが、今年も何とか皆様に納得いただけます状態になれば幸いです。
posted by ミナミフジCC at 09:23| コース管理入門編

2017年07月10日

カバープランツ

カバープランツとは?
地面を覆うように広がる丈の低い植物、地被(ちひ)植物ともよばれます。地面を覆い隠すだけでなく位土壌の乾燥や山の流出、雑草を防ぐ役割もあります。つる性やほふく性の宿根草や低木で成長が早く手入れの要らないものがカバープランツとして向いています。

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カバープランツの種類
最近のゴルフコースでは様々なカバープランツが植えられ、プレーヤーの目を和ませてくれるようになっています。
例えば法面は刈込みが大変ですし、ロックガーデンは花を植えた後の雑草取りが大変です。カバープランツならば管理しやすく、花もきれいですし密植して綺麗な面を作ります。
カバープランツの魅力は、四季おりおりの花が咲き、香りが漂い、見た目美しいという事ですが、以下に私が植えた中で印象的な品種をピックアップしてみました。
@シバザクラ
Aアジュカ
Bマツバギク
Cバーベナ
Dローマンカモミール
Eツルマンネングサ
一年草の花は綺麗ですが、名前の通り毎年枯れてしまいますので多くの面積を管理する場合は手間暇がかかります。
そこで雑草に負けない多年草(宿根草)を植えたいものです。
  この意味でハーブ類は繁殖力が豊富であり、その香りを楽しむことができるため、ゴルフコースでも好んで植えられています。
  ハーブの代表格であるローマンカモミールは極上の香りがしますので、是非家庭でお試しください。

ゴルフ場とカバープランツ
ゴルフ場に裸地があっては興ざめします、ゴルフプレーヤーはどこまでもきれいな芝地が続いて欲しいと願っています。
さてゴルフの起源は諸説あって紀元前まで遡るようですが、定説は12世紀にセントアンドリュース・オールドコースのあった場所(スコットランド)で、石を野兎の巣穴に入れて遊んでいたとあります。
その牧場は現代ゴルフ場と入れ替えられ、羊たちが草を摂食した行為は刈込機械(モア)に、さらに硬い蹄で踏みつけた行為が転圧ローラーに代わったものであります。
芝草の生長点は地際にあり、匍匐茎(ほふくけい)を出して横に広がり、葉やその他の部分の表面にガラス質の珪酸(けいさん)を蓄積して鎧を着けているように体を保護しています。
なお芝草は進化したイネ科の植物で、草食動物たちとの闘いの歴史があって、現在に至ったと言えます。
表題のカバープランツの代表は芝生そのものであり、省管理型の植物として生き残っているのも頷けます。表面が土ならば、雨が降ると流れやすく崩れやすいのですが、カバープランツに覆われた土地はそのような事が起きにくく、手間暇かけず綺麗に維持できるわけです。

花畑はワンペナ?
花畑がOB杭の内側にあればセーフなので、無罰で打つことが可能です。
通常の心の持ち主ならば、アンプレヤブル宣言をしてワンペナを覚悟するであろうと思われます。
なぜなら花畑をなぎ倒すなどはできないという気持ちが起きます。
私の関係したゴルフ場に「エデンの園」というホール名がありますが、このホールはラフにリンゴの木が植えられ、フェアウェイの真ん中は花畑であります。
当然ですが、リンゴは毎年実り花が年中咲き乱れる・・のが名前の由来なので、コース管理はかなり苦労しています。
ここまで凝ると、カバープランツと真逆の発想になってしまいますので管理は遠慮させていただきます。
何の因果なのか、その花畑の管理を楽にするのがやはりカバープランツという事になりそうです。
昔、私が管理する畑の周囲にハーブを植え一息ついていましたら、いつの間にかハーブが畑を駆逐して、ハーブ畑となった苦い経験があります。
ハーブは独特の香りがあり、ペパーミントやレモンバームやアップルミントなどすぐに香りで見分けがつきます。
セージはソーセージにしみこませるハーブですが、名前の由来のように食品には欠かせない香りです。
さて花畑の話に戻りますと、多くのゴルフ場が花の苗を植えて夏期間コース内を花いっぱいにしています。
良く見かけるのがマリーゴールド、サルビア、インパチェンスの3種ですが、これらは概ね黄色、赤、青の信号機のようにしっかり主張しています。
posted by ミナミフジCC at 11:25| コース管理入門編